来店 ページ26
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からんからん
「 来た 」
『 あ!鏡花ちゃん!いらっしゃいませ〜 』
平日の昼下がり。店内にいる人も疎らになってきた頃、泉鏡花が1人で来店した。店長と今日が初めましての鏡花は彼にぺこ、と軽く頭を下げてカウンター越しにAの目の前に座った
「 ホットミルク、甘いのひとつ 」
『 ふふ、はあい
とびきり甘くしますね 』
前よりかは表情が固い鏡花の一言に彼女はふわりと柔らかく笑って準備に取り掛かった。その笑顔を見て鏡花も隠れてへにゃ、と表情を崩した
『 今日は龍之介くんと一緒じゃないんですか? 』
「 …あの人は、お仕事。忙しい 」
『 あ〜まあ、大分上の立場ですもんね 』
Aは食器類から鳴る音により鏡花の声の変化に気づかない。今この場にいるのは私とAと店長だけなのに…。頬を膨らませる鏡花。所謂嫉妬である
だが嫉妬してます、等と言えるわけもない鏡花は特に何かを言う訳でもなく、Aが戻ってくるのを待つ
暫くすると、Aが容器を二つ持って戻ってきた
『 わ〜〜お待たせしましたっ 』
「 …これは? 」
『 うさぎさんクッキーです。ホワイトチョコレイトで周りを白くしたんです、とびきり甘いですよ 』
ぱちん!と効果音が付きそうなほど綺麗にウインクをした彼女に、鏡花は胸の内側が暖かくなったのを感じた。
ゆっくりとうさぎの形をした可愛らしいクッキーに手を伸ばす。口に入れた途端甘いのがじんわりと広がる。飲み込む前にとびきり甘いホットミルクを啜る。甘くて美味しい…。鏡花の周りには花が舞っていた
『 …鏡花ちゃん 』
「 ん…なに? 」
『 また、1人で来てくださいね 』
特別にとびきりあま〜い接客、しますから
この気を境に、探偵社に入った後も通いつめるようになるのはまだ先のお話
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テコ入れ回
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零桜 - すっ、好き…冥途ちゃん。はわ、可愛い。更新待ってます! (9月18日 8時) (レス) id: fe567fe024 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - アァ‼︎終わらんとってぇ〜‼︎ (2022年12月7日 21時) (レス) @page29 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 続き待ってますぅ!! (2022年6月9日 16時) (レス) @page29 id: 41724ba062 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライのカス - え、え、え??か、可愛い…え?好き…お、?面白い…好き!!!!!! (2021年12月1日 17時) (レス) @page15 id: fb2299d8e5 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - オープニングが素敵すぎる…!!主人公も魅力的だし、これからが楽しみです!頑張ってください〜! (2021年11月23日 22時) (レス) @page3 id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷぷ | 作成日時:2021年11月22日 1時