お困り事 ページ24
・
ある日曜日、まだ太陽も頂点に達していない頃。冥途Aは街のシンボルになりつつあるポートマフィアのビル前に立っていた。何時ものメイド服ではなく、今日はちゃんとした私服で
何故彼女が態々此処に立っているのか。それは…
「 は、はあっ、Aさんっ! 」
『 !樋口さん 』
そう、今日はポートマフィアの樋口一葉からの″お困り事″の付き添いのためである。
少し前の日、あの喫茶に来店した樋口からの依頼であった
「 わ、わたしのお困り事に着いてきて欲しくって!…しょ、しょっぴんぐ…へ…… 」
ごにょごにょ、と恥ずかしそうに話す樋口にAは笑いをひとつ零してふたつ返事で了承した。そしてその時に待ち合わせ場所は目的地に近いポートマフィアのビル前にしようと決めていたのだ
「 ま、待ちましたか…、? 」
『 いいえ今来たところですけど…大丈夫です?息すごいですけど… 』
「 いえ、あの…あくたがわせんぱいを、撒くのに、手間取ってしまって…っ 」
『 …あー… 』
Aの問いかけに虚ろな目で答える樋口。それに伝染されたのかAも同じ目をした。以前も2人で出掛けた時に、芥川に尽く邪魔されたのを思い出しているからである
樋口は嘆いた。本来ならば憧れの先輩の芥川、だいすきなひとのAの3人で出掛けられる事は喜ばしいことなのに…芥川先輩は私のライバルでもあるからこの状況は喜べない…!と。芥川も樋口も、Aがだいすきなのである
『 …ま、まあ撒けましたし!今日は2人で楽しんじゃいましょう 』
ねっ!とこの状況下でも頑張って笑顔を作り樋口を励まそうとする。そんな彼女の姿にきゅん、と胸が鳴った。そうだ、芥川先輩は事情を知らない中也さんに捕まってる…Aさんと2人きりになれるのは今がチャンスなんだ!樋口は思い込んだ
「 はい!ではよろしくお願いしますっ! 」
『 !…ふふ、樋口さん本当に急いでくださったんですね 』
「 え…わっ 」
バッと頭を下げた樋口。上から降る声に疑問を抱き顔を上げると目の前に迫っていたのはAの手
びく、っと条件反射で目を瞑ると髪を退けられる感覚があった
『 髪、折角綺麗にされたのに…乱れてる 』
くす、と微笑むA。樋口は彼女の顔があまりにも良すぎたため、キャパオーバーしてしまった
・
473人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零桜 - すっ、好き…冥途ちゃん。はわ、可愛い。更新待ってます! (9月18日 8時) (レス) id: fe567fe024 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - アァ‼︎終わらんとってぇ〜‼︎ (2022年12月7日 21時) (レス) @page29 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 続き待ってますぅ!! (2022年6月9日 16時) (レス) @page29 id: 41724ba062 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライのカス - え、え、え??か、可愛い…え?好き…お、?面白い…好き!!!!!! (2021年12月1日 17時) (レス) @page15 id: fb2299d8e5 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - オープニングが素敵すぎる…!!主人公も魅力的だし、これからが楽しみです!頑張ってください〜! (2021年11月23日 22時) (レス) @page3 id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽぷぷ | 作成日時:2021年11月22日 1時