運命 ページ6
-半年前-
雅紀)「あのさ、翔ちゃん...」
翔)「んぁ??」
雅紀)「これから言うこと、真面目に聞いてね...??」
翔)「うん...」
その時の雅紀は明らかにいつもと違っていた
雅紀)「俺ね、ここを出ていこうと思ってるんだ」
翔)「えっ....??」
雅紀)「俺...ずっとやりたいことがあったんだ。その為に今まで働きながらバイトして、お金貯めて暮らしてきたの。それで、お金がやっと貯まったんだ...」
翔)「....」
雅紀)「俺がここを出たら翔ちゃんの家が無くなっちゃうのは分かってる、でも俺...」
翔)「お前、ホントにバカだな」
雅紀)「えっ....??」
翔)「お前のやりたいことくらい、俺だって気付いてたよ。本棚にいっぱい本置いてあった」
雅紀)「....」
翔)「俺のことは心配するな、大丈夫だからさ」
雅紀)「翔ちゃん...」
翔)「頑張れよ」
雅紀)「うんっ(泣)」
.
.
翔)「それで、俺は雅紀の所を出た」
A)「....お兄ちゃんの、やりたいことって...??」
翔)「....来て」
翔は私の腕を引いて外に出た
バスに乗って約30分、そこからまた徒歩30分
辿り着いたのは.....
A)「相葉..動物、病院....??」
翔)「雅紀は、俺と出逢った頃にはとっくに獣医の資格持ってて、他の動物病院で働きながら金貯めて、ここを開業したんだ」
A)「これが....お兄ちゃんの......雅にぃの、夢...」
翔)「((頷く」
A)「雅にぃ..中にいるの...??」
翔)「いるよ」
A)「....」
ｶﾞﾁｬ
「患者さんですか〜??ちょっと待ってね〜」
あぁ、雅にぃの声だ...
雅紀)「はいはい、お待たせしまし..た....」
A)「雅にぃ....」
雅紀)「A、何でっ....!!!(泣)」
雅にぃは泣きながら私を抱き締めた
私も雅にぃの背中に手を廻した
雅紀)「久しぶり...元気だった!?」
A)「うん....雅にぃこそ...動物病院なんと開いて...スゴいじゃんっ」
雅紀)「でもどうして...!!?」
翔)「俺が連れて来た」
雅紀)「!!!??翔、ちゃん....」
翔)「久しぶり、雅紀。俺、今Aのトコ住んでんの」
雅紀)「えっ...!?」
A)「運命、かもね♪」
雅紀)「ホントに....」
.
続く
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作者名：裕香 | 作成日時：2013年5月27日 9時
