ふたりめ【2-1】 ページ6
ふたりめは赤ジャージくん
you side
『…ってことがあって、せんたんとは仲良くなりましたよ』
「そうですか、良かった、これで『仲良くなれないからお返しします!』なんて言われたらどうしようかと…」
『流石にお返ししますなんて言いませんよ…』
せんたんと仲良くなり、普通の生活を送り始めた頃、ふと、店長に報告していなかったことを思い出し、店にフラリと立ち寄った。
あれだけ見つけられなかった店がすぐに見つかったのだ。少し位、疑問に思っても良かったのだが、仲良くなれたことを早く報告したい…。
そんな100点をとった子供のように嬉しそうに店に入ったことを後に店長から聞かされるのだが、それはまた別の話。
店長がお茶のおかわりを持ってくる間、私はまた席を立ち、瓶たちを眺めていた
と、視線の先に何やら赤く目立つ瓶が。
「そちらはにどみの瓶詰めになります。
昨日詰めたばかりの新鮮なにどみなんですよ。
瓶の半分ほど砂糖を詰めているので、引き取る際は、温度・湿度に注意してくださいね。」
店長が、立っていた。
『び、っくり…した…』
「ふふ、ごめんなさい、驚かせるつもりは無かったんですけどね。やたらと熱心に見ていたみたいだったからつい」
私はその埃を被った瓶を手に取る。
すると、瓶の中のにどみ(?)くんは私を一目見るなり安堵の表情を浮かべていた。
赤、ジャージ…
『赤ジャージの子って、なんか珍しいですね…』
「ふふ、そうですよね、でもこの子にはピッタリだと思いません?」
『はい…確かに…』
何故だろう、しっくりと来てしまうその服がとても特別なものに見えてきた。
「…どうします?」
『…せんたんは、寂しがり屋だから…』
「…分かりました、では、この用紙に記入を」
「やっぱり、いい名前だと、思いますよ」
『…そういえば私、店長の名前…知らないです』
「私の名前なんていい名前でも無いので」
なんか、いいようにはぐらかされた…?
「それではAさん、にどみくんを、よろしくお願いしますね」
『…はい』
数分後、綺麗に包装された瓶を手渡され、その日は店をあとにした。
これが、にどみんとの出会い。
ラッキーカラー
あずきいろ
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汀(プロフ) - すぷらさん» こちらも沢山勉強させて頂きました…!!これからも更新楽しみにしています!!応援しています!! (2018年9月26日 22時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - !!見られていたなんて恥ずかしいです!!汀さんの文から勉強してもっと精進させていただきます!! (2018年9月26日 22時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
汀(プロフ) - すぷらさん» 返信が遅くなってしまいすみません!とても嬉しいお言葉をありがとうございます!実は私もこっそりすぷらさんの作品を拝見しており、モチベーションを保つひとつになっていました。本当にありがとうございました!!ぜひ次作もよろしくお願い致します!! (2018年9月26日 1時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 【追記】 汀さんの作品の更新はもはや私の作品の更新のモチベーションになっていて違う方向でもとても力を貸していただきました(笑)ありがとうございます! (2018年9月24日 20時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 完結、そして内定おめでとうこざいます。汀さんの作品はとっても素敵で大好きです。これからも汀さんの作品を読ませていただきます。お疲れ様でした。 (2018年9月24日 20時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汀 | 作成日時:2018年7月16日 20時