【DIABOLIKLOVERS♪紅色に染まる少女】

episode32〜次男の考えと優しさ〜 ページ40

私は、自分の部屋を出て、ある部屋の前に立っていた。

私はぎゅっと拳を固める。

私(頑張れ、私！自分の未来のために！)

そっと、ドアを叩く。

レ「入りなさい」

声が聞こえ、ノブを掴んでドアを開ける。

私「失礼します。お忙しいところすみません」

部屋に踏み込んで、私は息を呑んだ。

壁一面に棚が並び、本やら実験用具やらいろいろ並べられていた。

レイジさんが振り替える。

レ「いえ、私も実験が一段落したところですので」

レイジさんは凄いなぁ〜！

私は感嘆の声を漏らす。

私「レイジさん、凄いですね。独自で薬品が作れて」

レイジさんはツンとそっぽを向き、眼鏡のブリッジを押し上げる。

レ「……別に、誇れるような事ではありません…」

目の端がほんのり赤く染まり、私は微笑んだ。

レイジさんって、意外と可愛いな…。

その時、私の心に踏み出す勇気が芽生えた。

私(よし、今ならいける！)

私「あ、あの、レイジさん。私、お話があるんです。」

レ「何です？」

私は体を硬くしながら、口を開く。

貴「あの、私、明日、この屋敷を出なくちゃいけないんです。だから……その…」

口ごもり、顔を伏せる。

そんな私に、レイジさんは冷たい視線を流す。

レ「なるほど。現実を受け止めずに、自分は逃げる……と」

へ？

びっくりして顔を上げると、レイジさんの視線とぶつかった。

レ「それは、現実からの逃げですか？それとも何か理由でも？」

私は慌てて、手を振った。

私「あの、無神家の人に言われたんです。明日、迎えに来るからって。そして、もし来るのを断ったら、逆巻家の兄弟やユイちゃんを殺すって。だから…みなさんに迷惑をかけたくなくて、それで…」

言ってると、だんだんと悲しくなって、私は泣き出した。

私はレイジさんに申し訳なくて、泣き止もうとする。

けど、涙が止まらない。

しばらく、立ち尽くし泣いていると。

レ「はぁ、仕方ないですね」

レイジさんが呟いたかと思うと、腕を伸ばし、私を抱きしめた。

私(レ、レイジさんっ？！)

私はびっくりして、泣き止んでしまった。

レ「貴女の声がうるさかったので、仕方なくしてるだけですよ。光栄に思いなさい」

私は、レイジさんの優しさを受け入れた。

しばらくして、レイジさんが体を離した。

眼鏡を押し上げながら、口を開く。

レ「私に策があります。貴女は、この屋敷から出ないでください。準備もしないように」

私は首をかしげながらも頷いた。

episode33〜ツンとデレの差〜→←episode31〜１つの希望と１つの勇気〜NOside有り

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