◆08.楽しみが増えただけ/花園瑠亜 ページ11
やっと来た。胸が高鳴る、その瞬間が。
遠くで悲鳴と悲鳴が混ざり合う、まさに不協和音。それに耳を済ませた。
生憎、パートナーは隣には居なくて薬袋さんもいない。代わりといってはなんだが僕のとなりには凪人さんが居た。
「そろそろいいですかね？早くしないと楽しみが全部あの春日に持ってかれちゃう」
そう言うと凪人さんは苦笑した。
それから小型イヤフォン型の無線機からのノイズと共に声が聞こえた。
その声を聞いて口角を分かりやすく単調にあげる。
「では、２番隊瑠亜、いってまいりまぁ〜す！」
そのまま地面に向かってまっしぐら、落ちていく。目標地点は熊型レトロイド。少し遠いかな？
「まぁいっか」
地面につく前に荊で衝撃を抑え、その場の桜の木の樹木を操ってレトロイドへの道を繋ぐ。
桜はもう散りに散り始めて今は葉桜。頬を掠め、僕の黒い髪を靡かせる風はとてもこんな状況を把握させるには物足りないぐらい。レトロイドの体に飛び移る。
「やぁ、熊型のレトロイドさん」
ﾆｺｯとはりつけの笑顔。
レトロイドが此方を向き、巨大な拳を振り翳した。
跳躍して退避。体を捻らせて荊を蹴ってまた跳躍。綺麗にアーチを描いてレトロイドの上をつく。
「僕を楽しませてくれ」
引き抜いた太刀をレトロイドの脳天めがけて降り下ろす。
春風が少しだけまた髪を靡かせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七夜(プロフ) - 更新完了しました (2018年5月5日 16時) (
レス) id: 468c1cc159 (このIDを非表示/違反報告)
七夜(プロフ) - 更新しますね (2018年5月5日 16時) (レス) id: 468c1cc159 (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - すみません、書き込むの忘れてました。編集終了しました。 (2018年5月4日 16時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 編集します。 (2018年5月4日 2時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 更新終わりました。 (2018年4月21日 19時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十二月三十一日 x他9人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月5日 22時
