【小説版】終末世界の彼ハ誰時 (ページ10)

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◆07.命中/八代つとりページ10

悠々と空を飛んでるレイドロイド
確か、鷲型-Ⅲ、Ⅱとか言ったっけな。
「バカだね。君たちが飛んでいい場所ではないんだよ、ここは」

高い高いかつてのビル、その最上階に八代つとりは居た。

ポツリ、と吐いた言葉と同時にバシュ、バシュ、と撃ち落としていく。
今日は趣味の廃墟巡りをしていたと言うのに、邪魔をしてきた奴ら。丁度高い廃墟にいる為、レイドロイドを狙いやすい。

その分、こちらも狙われやすいのだが。
ある程度撃てば、こちらの存在に気が付く前に他の建物に移動する。
八代さんのレディーレは『電磁力』
予め、触っておいた建物を磁力と自身の脚力を使って上手いこと移動をする。

バシュ、バシュ、また続けて撃てば一つ外した。
他の鷲型とは動きや形が違う。一回り大きいことも確認される。
「Ⅴ型か……、本部に連絡するべきか。」
片手で連絡器を取り出しながら、視線はレイドロイドから外さない。
一瞬の気の緩みが死となり、仲間といられなくなることはとうの昔から知っている。お前らのお陰でな。

「……ﾁｯ」
こちらに攻撃体制に入ったⅤ型とは応戦するしか無さそうだ。
シーカーとの関係もあるし、仲間が今どこにいるのかさえもわからないこの状態。かなり、まずいと言っていいだろう。
ここ最近の平穏はこのためだったと考えてもいいのだろうか。

「こちら、八代つとり。鷲型のⅤ型確認、応戦しまーす。」
ｶﾁｬ_____
使っていた狙撃銃を隣において、担いでいた銃剣を取り出す。この中に入っている弾は磁石入りだ。

当たれば、レディーレでどうとでもなる。あまり、やたらめったらに使いたいものではないが。警戒しておいて損はない。

バシュ、という音とガキンッ、という音。
「なっ……っ、クソが。」
そして、右足を攻撃してきた。幸い、重症ではない。
銃弾を弾きやがった。これがあのⅤ型の性能と判断して良さそうだが、
「相性最悪」

どうやら、面倒なことになってきたらしい。
銃剣の剣の部分を使うか。
レディーレ『電磁力』は、細かい制限はあるが触れた相手に電磁力の力を与えることができる。
直接こちらに攻撃してきたアレは、八代さんに触れている。S極とN極が引き寄せあうかのようにこちらに勢いよく連れてくる。

「っは！」
その勢いに乗せて、コアに剣を刺せば動かなくなった。
しかし、まだまだレイドロイドは沢山いる。
明日は、寝たきりかな。なんてしょうもない事を考えて、狙撃銃を持ち直した。