【小説版】終末世界の彼ハ誰時 (ページ8)

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◆05.襲撃/暁烈ページ8

(僅かに)流血表現有

レイドロイド出現の報告を受け、俺は東北部に向かった。

今回出現したレイドロイドの内最も危険とされる象-I型のいる場所だ。

あれさえ早く対処すれば、被害を最小限にできる。

しかし、いつぶりだろうか。この警報音を聞くのは。できればあまり聞きたくはなかったんだが……。

街中を逃げる一般人に逆らって走る。あちこちで聞こえる悲鳴が、さらに多くの人の恐怖を煽る。

いや、聞きたくないのはこの悲鳴か。

目的地はまだかと目線を少し上にやる。

「あれか」

目にうつるのは巨大な象のレイドロイド。報告によれば九メートルもあるらしい。三、四階建ての建物に匹敵する。

一歩進むだけで地上に被害をもたらす。地面が揺れて攻撃どころか近寄るのさえ難しい。

誘導によって時間を稼ぎ、大型兵器で仕留めるのが最善と言える。

足を止め。辺りを見回す。あの象の視界に入れそうな高台を探すが、あいにくそのようなものは見当たらない。

しかし、俺は気がついた。

空中から急降下してくる鷲のレイドロイドに。

とっさに受け身を取って直撃を避けるが、スピード特化のⅢ型の奇襲攻撃はそう簡単に避けられるものではなく、腕に掠り傷をもらってしまう。

――やってくれるな。

振り向くや否や、二度目の攻撃が来る。さきほどと同じ、刃物のような鋭い攻撃。

すんでのところを回転してかわし、生まれた回転力を利用して流れるような回し蹴りを背後に叩き込んだ。

勢いが付きすぎたレイドロイドは、岩に当たって活動を停止。そのまま地面にずるずると落ちていった。

俺はそこまでゆっくりと歩いていき、内臓された立方体のコアを踏み潰した。

これで小型一匹。

早く大型を食い止めなければ。