第115話 推測から確信へ ページ18
ー少しut視点ー
「なんでしょうか？」と微笑むAちゃん。
最初こそ話しかければあわあわと落ち着きがなかったけれど、最近は中々に危険な笑顔を浮かべる。
辛辣な女の子が多い要塞で棘のない花は重宝されるだろう。
「それ目立つもんな〜」
『そうですよ…こんなんでお風呂なんて入ったら魔獣と間違えられて討伐されるかもしれないです』
「それはない、こんなかわええ魔獣なんておらんよ！」
『なっ…そんな、まさか』
半分本心、半分反応を楽しみたかった。
Aちゃんは相当恋愛経験がないのか、ささいなことでも顔を赤らめるから面白くて仕方ない。からかいたくなるのもしょうがないだろう。
今だって耳まで赤くして俯いているのだから。
…まぁ、実は結構タイプだったりもするんやけど。
『なっ、何の用ですか…！』
「んはは！そんな怒らんでって、つい言ってもうてん」
『…はあ』
顔を赤らめて少し口を尖らすAちゃん。
改めて見ると顔整ってんなぁ、なんて。
「ほら、僕エンチャント得意やから。もっかい見せてもらお思って」
「Aちゃんになんかあったら困るから」と付け足せば、どこか複雑な顔をしたAちゃんが無言でこくりと頷く。
外されたニット帽の下には、先程と変わらず咲き誇る暖色系に彩られた花が煌めいていた。
「うわぉ」
思わず声が出るくらいに、綺麗で。
そんなきらきらと舞う光の粒を見た途端…推測が、確信になった。
『ど、ですか？何か分かりましたか…？』
心配そうにするAちゃんを見れば、上目遣いの瞳と目が合う。きっと無意識なんだろう。
らしくもなく反応した心臓と同期するように、きらりと蒼い前髪に隠れた自分の右目から淡い光が溢れる。
…この子は、思ってたよりもずっと魔性らしい。
「あー…ごめん、よぉ分からんかったわ」
確信になった真実を話すには、まだ早いだろう。
『そうですか…態々、ありがとうございました！』
「律儀やなぁ〜、ええんよこれくらい！力になれんくてごめんな」
『…いえ。そのお気持ちだけで、私はとても嬉しく思います』
少し驚いたような顔をした後、嬉しそうに目を細めてAちゃんは嘘偽りのない笑顔を浮かべる。
…その途端、再び自分の右目が熱くなった気がした。
「じゃーね、引き止めてゴメンな！」
『そんなこと。ありがとうございました！』
ぱたぱたと去っていく背中をぽーっと見つめる。
できることならばもう少しだけ、そのままでいてほしかったり…ね。
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弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» 嬉しい言葉ばかりで、夢主ではないですが泣いてしまいそうです。その言葉を心に噛み締めて突き進んでいこうと思います！処女作がこんなに続くと思ってませんでしたし…見てくれる方のおかげです！ありがとうございます！ (8月30日 2時) (
レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - やはり作者様の小説は最高ですね！更新は作者様の自由なので読者側がとやかく言える物ではないので！コメントに更新が途絶えた事を責める意図は全くありません！作者様のペースで更新して頂けると嬉しいです！どれだけ期間が空いても私はファンなので！ずっと好きです！ (8月29日 20時) (レス) @page38 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» またもコメント、ありがとうございます！楽しんでいただけて心から嬉しいです！更新が途絶えていてすみません…少し色々ありまして。完結はちゃんとさせるつもりなので、気長に待っていただけると…！ (8月29日 10時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - ずっと気になるところで更新が途絶えてたので、ドキドキしてたんですけど、今日も読もうって思って見に来たら更新されてる！？貴方が神でしたか…本当にありがとうございます…楽しませてもらってます！大好きです (8月28日 17時) (レス) @page30 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - コメントありがとうございます！貴重なお時間使ってまでも一気読みなんてとても嬉しい限りです…！好きと言っていただけるだけで励みになります！更新頑張ります！ (2023年1月30日 16時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弦 | 作成日時：2022年12月6日 6時
