第99話 三大栄養素特盛 ページ2
『…あの、シャオロンさん？』
「ん、Aちゃん！おはよぉ〜」
朝起きて、何故か日に日に増えている軍服ワンピースを来て食堂で朝食を取っていた。
明らかに前より食べる量が増え、おデブ生活まっしぐらかと思えば仕事(手伝い)も魔法もしてるし割に合った食事量かもしれない。
異世界の食べ物は見たことないものばかりで食べる勇気がいる。
でも実際食べてみれば新しい扉が開き見事に虜になっていたのだが…
『あ、おはようございます…えっと、それなんですか？』
私の目の前にドンと置かれた大皿には、混ざってはならないであろう色同士が不調和を成し、植物なのか肉なのか魚なのか麺なのか統一されていない物体が湯気を立てていた。
それも、何故か紫色の湯気を。
…明らかにノーモザイクで見ちゃだめなヤツ〜
ヘンな匂いはしないけど摂取せずとも精神をダイレクトパンチしてくるダメージ、異世界恐ろしや…
「え？シャオロン様特製、愛情たっぷり三大栄養素特盛スパゲッティ♡」
『ひ…』
いや、先程からこの人がなんか大皿を持ってウロウロしてることは知っていたのだ。
挨拶をしなければとも思ったが、何故かシャオロンさんの周りで食事をしていた要塞の人たちが青白い顔をして離れていくものだから、その光景を他人事のように私は美味しい食事のお供にしていた。
さっさと逃げればよかったのに、もう振り返ったシャオロンさんと目が合った時には私の運命は決まってしまっていたらしい。
「どお？Aちゃんも栄養足りてへんのちゃう？」
『え…確かに栄養バランスは最悪かもしれないですけど…』
他所の世界の人間でも分かる。
コレ、タベタラ、アカン
こんな時に限っていつも頼りになるロボロさんはいないし、ていうか幹部って中々人前に出てきていい位の人じゃないだろう、普通。
…そんな私の考えも目の前の笑顔のシャオロンさんに砕かれているのだけど。
「ダイジョーブ、はいあ〜ん」
『んなっ…』
高顔面偏差値に乙女の憧れ、非リアが見たら思わず絶倒、私が見たら奇声をあげる絶許行為なんてされたら無意識に感情がぶつかり合い口が空いてしまう…ってことを今知りました。
それを見逃さなかったシャオロンさんは見事私の口にその劇物を捩じ込む。
こうして私の初あ〜んはトキメキもクソもない、周りの人達から同情の目を向けられながら最悪な展開で消費されてしまったのだ。
…え、もしかしてワンチャン私死ぬ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 995人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» 嬉しい言葉ばかりで、夢主ではないですが泣いてしまいそうです。その言葉を心に噛み締めて突き進んでいこうと思います！処女作がこんなに続くと思ってませんでしたし…見てくれる方のおかげです！ありがとうございます！ (8月30日 2時) (
レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - やはり作者様の小説は最高ですね！更新は作者様の自由なので読者側がとやかく言える物ではないので！コメントに更新が途絶えた事を責める意図は全くありません！作者様のペースで更新して頂けると嬉しいです！どれだけ期間が空いても私はファンなので！ずっと好きです！ (8月29日 20時) (レス) @page38 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» またもコメント、ありがとうございます！楽しんでいただけて心から嬉しいです！更新が途絶えていてすみません…少し色々ありまして。完結はちゃんとさせるつもりなので、気長に待っていただけると…！ (8月29日 10時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - ずっと気になるところで更新が途絶えてたので、ドキドキしてたんですけど、今日も読もうって思って見に来たら更新されてる！？貴方が神でしたか…本当にありがとうございます…楽しませてもらってます！大好きです (8月28日 17時) (レス) @page30 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - コメントありがとうございます！貴重なお時間使ってまでも一気読みなんてとても嬉しい限りです…！好きと言っていただけるだけで励みになります！更新頑張ります！ (2023年1月30日 16時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弦 | 作成日時：2022年12月6日 6時
