143：選択肢 ページ43
口を閉じて答えずにいれば、シャオロンは再度口を開く。
「俺は、リディと沢山過ごして一緒に馬鹿言って笑ったあの時の笑顔が嘘だったなんて感じんかったけど」
「俺が知るAは、一緒に馬鹿して、悪い事をした時には叱ってくれるし陰ながら努力しとるやつやったな」
シャオロンに続くようにコネシマが答える。そして更に続くように、ショッピやゾムやチーノ、ウツが口を開く。
「俺が思うAさんは周りを見れる人でしたよ。先輩よりも何倍も落ち着いてました、本当に先輩に見習ってほしかったっすね」
「Aは素直になれんけどそれでも優しいやつや。んで人を頼るのが苦手なやつ。あと、料理はある意味すごい」
「僕の知る貴方は自分のことよりも他人を優先してしまう人でしたよ。でもそれがゾムさんも言ったように貴方の優しさなんだと思います。もっと自分優先してもいいぐらいだと思いますし……。確かに料理はすごかった。色んな意味で」
「Aちゃんは人を守ることができる人。俺の目標でもあった人。周りと比べたら少ししか話したこと無かったけど、相手を思いやり救うことも守ることもできる、そんな人やと思う。後は約束を守ってくれれば僕は満足かな」
彼らの言葉を聞いて、下に俯く。そして自然と目から涙が溢れる。
あの時、何も考えられなくなって空っぽになった何かが徐々に満たされていくように感じる。ついに、私自身の答えにもやっと答えられそうだ。
涙を袖で拭いて、改めて彼らに向き治る。姿の魔法をといて、深呼吸をして答える。
「どれも私。リディもA・グリディアも。ただ、学園のときは私は……ちょっと悪役やりすぎたかな」
そう笑って答えれば笑い声が部屋から響く。この部屋に響く低音の声の持ち主は一人しかいない。あの偽物の記憶の物語の主人公でありこの国の総統、グルッペンのものだ。
「素晴らしい！やはり、欲しい人材だ、それをみすみす逃すことも無いだろう。
さぁ、辞表だなんてつまらないことは言わないでくれ。うちの軍は優秀な人間は大歓迎だ」
グルッペンはこちらに手を差し出す。その手を取るか取らないか、ゲームなら選択肢が出るだろう。
私が過ごす世界は私が本物だ。これからは、私は悪役でもなく主役として生きていくのだ。そして周りの人間も全員主役だ。
私はグルッペンの差し出した手を―――――――。
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りと - 一気見させて戴きました…最終話で泣きそうになりましたね…いや、あれはもう泣いてた、うん。番外編の平和が沁みるわァ…色々あったし胸糞展開もあったけど幸せそうで良かった…うぅっ…。お疲れ様でした。素敵な作品に出会えて最っ高の気分です。 (5月5日 3時) (
レス) @page50 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 完結おめでとうございます！🎉ば番外編もとても面白かったです︎💕 (2022年11月9日 19時) (レス) @page50 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
まぐろさん(プロフ) - 唐揚げさん» コメント並びに祝いの言葉ありがとうございます。リクエストも少しお待たせする形となってしまいましたが、ぜひ楽しんでいただけると幸いです。 (2021年3月25日 12時) (レス) id: 1cb24ca7d0 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 完結おめでとうございます。そしてリクエストにお答えいただきありがとうございます。 (2021年3月24日 22時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
まぐろさん(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます。完結祝の言葉もありがとうございます。番外編もよろしくおねがいしますm(_ _)m (2021年3月21日 1時) (レス) id: 1cb24ca7d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぐろさん | 作成日時：2021年1月11日 3時
