133：ut side ページ33
「多分、これが切れたら俺は魔術が使えんようになる。チャンスは一回。ゾムまだ動けそう？」
「動けるで」
この場で秘密裏に動けるのは俺とゾムしかいない。あのペンダントを持ったやつは建物に隠れここからは狙えない。
「ゾムがあの男を影から出した瞬間、僕が魔術でどうにかあのペンダントを壊すってのはどうや」
「分かった、1分後に外に出させるわ」
「もし失敗したら……」
「それはまた後で。大先生ならきっと大丈夫や。そんな心配せんでええから」
そう言ってゾムは消えていく。
「そんな、ゾムに信用されることしたっけなぁ」
そうは言いながらも口元は緩んでいた。
ただ、信用されていたのが嬉しかったのかもしれない。
目を閉じて呪文を唱える。そして水でできた弓を出そうとするが、上手く魔素と体内の魔力を結ぶことができない。
ふと、シッマやシャオロンがかすり傷を作っているのが目に入る。
ここで失敗すれば、あのペンダントを持ったやつは更に分かりにくいところに逃げてしまうかもしれない。それに、この酔い止めの魔道具が壊れたら精密な魔術は使えなくなるだろう。この一回のチャンスに掛かっているのだと自覚すればするほど肩に力が入り上手く行かない。
残り時間は30秒もない。
((早く作らないと………！))
焦る気持ちが前に進む中、それを止めるように声がかかる。
「肩に力入りすぎ。力抜いて。魔素が使えないなら私のを使えばいい」
肩に手を置かれる。
その声は主は振り向かなくても分かる。ずっと会いたかった人だ。
「約束やっぱ守ってくれるんやな」
「それは後で。今はこっちよ」
肩に置かれた手は暖かく、そこから安定した魔力が流れてくる。
空気中の魔素と結ぶのを辞め、彼女の手から流れる魔力を結びつける。いつもより魔力の消費が大きいのは仕方ない。きっと彼女も許してくれるだろう。
自分の手元には綺麗に水の弓が出来上がる。
そして、右手を弦にかける。そして、ゆっくりと引分ける。
遂に、建物の影から慌てたようにペンダントをした人物が出てくる。そのペンダントに狙いを定め矢を放つ。
それは綺麗に飛んでいき、ペンダントの真ん中を貫く。と同時に、青い宝石は色を失い割れていく。そして、そのペンダントをかけていた人物も倒れていった。
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りと - 一気見させて戴きました…最終話で泣きそうになりましたね…いや、あれはもう泣いてた、うん。番外編の平和が沁みるわァ…色々あったし胸糞展開もあったけど幸せそうで良かった…うぅっ…。お疲れ様でした。素敵な作品に出会えて最っ高の気分です。 (5月5日 3時) (
レス) @page50 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 完結おめでとうございます！🎉ば番外編もとても面白かったです︎💕 (2022年11月9日 19時) (レス) @page50 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
まぐろさん(プロフ) - 唐揚げさん» コメント並びに祝いの言葉ありがとうございます。リクエストも少しお待たせする形となってしまいましたが、ぜひ楽しんでいただけると幸いです。 (2021年3月25日 12時) (レス) id: 1cb24ca7d0 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 完結おめでとうございます。そしてリクエストにお答えいただきありがとうございます。 (2021年3月24日 22時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
まぐろさん(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます。完結祝の言葉もありがとうございます。番外編もよろしくおねがいしますm(_ _)m (2021年3月21日 1時) (レス) id: 1cb24ca7d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぐろさん | 作成日時：2021年1月11日 3時
