【ヒプノシスマイク】大人びた幼馴染 2nd Album

♪ ページ41

因みにそのウサギは学校が飼えなくなったとかなんとかでその子に引き取られた。淡く儚くめちゃくちゃ苦い思い出。
ところでこの思い出、前世と今世どっちのだったっけな。
これ前世の記憶の方だったらやばいよね〜あっはっは。


「小学校？ 俺らが通ってた学校にウサギなんかいなかったろ？」


前世だったかーーーー！！

しまった軽はずみな発言で墓穴を掘っちまった……！ フラグ回収完了ってか！？ ふざけんな！
そうだった私が一郎達と通ってた小学校はウサギ飼ってなかったわ！ やらかした！！
やべぇどうしよう！！


「あ、えーっと……推し、が……」

「推し？」

「漫画の、推しが、小学校のウサギの世話を、してて……」


とりあえず架空の推しを作ることにした。

小学校でウサギの世話をする推し。可愛いけどどんな話だよ。学園モノかな？ どう考えてもショタorロリっていうのは察したよね。…………いや待て、もしかしたら先生の可能性も無くはないのでは……？


「お前……それで調べるってめちゃくちゃハマってたんだな、その漫画」

「自分でも予想外なくらいには」


まあ嘘なんだけどさ！！
うわああああこの会話嫌だなああああ早く話題変えたいなああああ！！


「なんて漫画なんだ？」


ガッデム！！
話題が変えられない！！ 興味持たないで！！


「あ、あーっと、なんだったかな……。ごめんちょっと忘れた」

「お前が推しのいる漫画のタイトル忘れるって珍しいな」

「そういうこともあるよね〜……」


やばい。
早急に“私の推しと言っても疑われないキャラがウサギの世話をしている漫画”を探さなきゃいけなくなった。なんて難易度高い探しものなんだ。
そんなピンポイント突いてる漫画ってある！？ 私知らないんだけど！！


「ぇーっと……それより、ウサギ……おウサギ様……」


話題を変えるべく、カーペットに置かれたケージの家主であるおハム様から一郎の腕に抱かれたおウサギ様に視線を移す。真っ黒い毛並みがふさふさしてモフモフして見た目だけでパーフェクト。
それを抱いてる一郎。絵面が良すぎやしないか？


「……私も撫でていいですか」

「なんで敬語なんだよ……」


毛並みに沿ってゆるりゆるりと撫でる一郎が呆れ顔を浮かべた。いやだって、私が飼ってるわけじゃないしさ。一郎が飼い主ってわけでもないけど、許可はいるかなって。

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