♪ ページ39
「起きねぇなぁ……」
「ぅ……」
いやぁ困った。さすがに独歩さんを担いで布団まで運ぶとかはできないしなぁ……。
どうしたもんかと頭をひねって考える。座ったまま寝るっていうのも疲れが溜まりそうであれだし……。
「独歩さぁん、起きて〜」
「んん……」
ぽすり。
右肩に重みが増す感覚。この感覚には覚えがあるぞ〜〜? あの時と違うのは、目の前に一郎のTシャツの生地があるってこと。
耳元で聞こえる寝息はなんとも安らかで、思わず目をつむった。
これはやべぇ。
「ぁ〜、どうしようかなぁ」
困った。本当に困った。
ああ〜マジか〜この状況どうすりゃいいんだちょっと待って困ったぞ〜。
これが一郎とかなら頭撫でながら起こすんだけど、相手が独歩さん。会ってまだ2回目。どこまでやっていいのかがわからん。は〜〜どうしよ〜〜。
とりあえず肩を叩いて起こしてみよう。
「独歩さん、起きてくださいな。独歩さ〜ん」
「……ぅう……んん゙」
ぎゅぅ。
ゆるく抱き締められた。
…………抱き締められた?
「……あの、独歩さん?」
呼んでみても応答は無い。これは……寝てる。ってことは無意識。無意識に抱き締められてる。多分抱き枕かなんかと勘違いされてる。
すよすよと寝息をたてて私のこと抱き締めたまま眠る独歩さん。ああ〜。あ〜あ〜。
「……あーもう……はいはい、私の負けです〜。しょうがないですねぇ……」
ぽんぽんと彼の頭を撫でてやりながら吐き出した言葉は、けれど声色には嫌気なんて滲ませない。
要するにまんざらでは無いってことなんだけど、我ながら甘えられるのに弱い。
山田兄弟のおかげで甘えられるのが好きになってる……。
すり、と肩口に頭を擦り付けられればもうダメだった。可愛い。無理。尊い。
「いつもお疲れ様です」
そう言って柔らかい髪を梳くように優しく撫でて、ソファーに寝かしつけたのだ。
昼頃、昼食を取りながら寄りかかってきたことを省いてソファーに寝かしつけた経緯と謝罪を述べたら、可哀想なくらい顔を青くさせて謝られた。選択肢のミスは駄目だって一郎がやってたゲームでわかってたはずなのに、なぁんでミスっちゃったかなぁ……。
ーーー
凛亜様リクエスト「独歩で甘い話」でした。
甘いとは。甘、甘い……。ととととりあえず独歩さんの髪乾かしたかった欲望を詰めました!
リクエストありがとうございました!
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ユズヒ(プロフ) - 夢華さん» うおおおおおすみませんご指摘ありがとうございます!!修正いたしました……!! (2019年2月17日 0時) (レス) id: 5bd3021ccb (このIDを非表示/違反報告)
夢華 - 一二三の苗字『奘』じゃなくて『弉』ですよ!因みに読みは『そう』です! (2019年2月16日 20時) (レス) id: ceff9b5b24 (このIDを非表示/違反報告)
luinn - 内容は面白いのに過去の(前世の記憶持ち)話があるから面白くなくなった。 (2018年9月23日 19時) (レス) id: e037ff0c35 (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - ユズヒさん» ありがとうございます!可愛い動物を前に可愛いしか言えなくなるのわかります...(語彙力の低下)一郎くんからのナデナデも最高でした!!ありがとうございますした!またリクエストの機会がありましたらリクエストさせていただきます!! (2018年8月4日 8時) (レス) id: 9a328a9f62 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - きらさん» お待たせ致しました、リクエスト作品が出来上がりましたのでお知らせ致します。ペットを世話する話、というよりかはペットをひたすら可愛いと言い続ける話になってしまいました……なぜだ……。リクエストありがとうございました! (2018年8月4日 2時) (レス) id: 5bd3021ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月29日 23時