【ヒプノシスマイク】大人びた幼馴染 2nd Album

22.本来の目的は ページ21

「うっま……！」


目の前で瞳をこれでもかとキラキラ輝かせて感嘆の声を零すお兄さんこと観音坂独歩さん(貰った名刺は大事に財布にしまった。とりあえず私も本業の方の名刺を渡しておいた)に思わず笑顔になる。
片手に持ったスプーンが小刻みに震えていて可愛い。お口に合ったようでなによりだ。


「本当に美味しいね。Aちゃんが作ったの？」

「はい。割と簡単に作れますよ」


独歩さんの隣に座る一二三さんが視線をくれる。
「子猫ちゃんはなんか恥ずかしいからやめてほしい」の訴えに危うく呼び方がプリンセスになりかけたけど、それを独歩さんの助けもあってなんとか制して自分の名前にこぎつけたのが10分程前の話。
私の右隣に座る寂雷さんを含め4人で囲む食卓は賑やかなものだった。


「手作り……あったかくて美味い飯……ありがたい……」

「独歩さ、独歩さーん？ 大丈夫ですか？ おーい」


なんかよく分からんけど感極まってる。震えてる。どうしたというのか。


「寂雷さん、大丈夫なんですかねこれ」

「うーん……彼の悪い癖が出ていないから大丈夫だとは思うんだけどね……」

「手作りっていうのがよっぽど嬉しかったみたいだ」


にこにこ笑う一二三さんに「マジでか」と目を見開く。こんなんでよければいつでも作るよおおお……。


「まだあるんで好きなだけ食べてくださいね」

「えっ……いや大丈夫です……！ 気を遣わせてしまってすみません……」

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