迷ノ宮狐雨9 (閲覧注意です) ページ21
第三者seid
狐雨「………」
ボーダー本部近くのマンションの屋上
そこに一人で迷ノ宮はいた
つい先程まで本部にいたのだが、物思いにふける為此処に来たようだ
彼女はその目を本部の屋上に向けていた
屋上で話をする二人の少女に気づいているのだろうか?
だが一目見ただけではそんな事分かりはしない
強く吹き荒れる風で目元は髪で隠れ、口元だけが見えていたからだ
そして独白めいた事を呟きだす
狐雨「相変わらず、人の絆って凄いなぁ…簡単に壊れるくせに簡単に壊れない」
狐雨「此れ程までに美しく、愚かなで儚いモノは無い……」
狐雨「どんな研究でも、人間の深層心理、その最下層までは辿り着けない」
狐雨「変わり続ける【心】と呼ばれる器官には規則性など、ありはしない」
狐雨「それはどんな人工知能にも、与える事は出来ない」
狐雨「同じ人間など、いる筈はない」
狐雨「俺はただの傍観者。ただの第三者」
狐雨「ただ人の背中を一押しするだけの存在」
狐雨「存在意義など、昔消えてしまった。今はただのバケモノだ」
狐雨「俺の【心】と言われるモノは、紛い物だ、作り物だ、粗悪なデットコピーなのだ」
狐雨「俺にとって、あの子たちは明る過ぎた」
狐雨「あの子たちの未来を見る事さえ、おこがましい…こんな自分が見る事が出来るモノなんて、死や絶望だけじゃないか」
狐雨「もう全て諦めた、終わってしまった【あの時】から」
狐雨「だからこれ以上俺に関わらないでくれ…っ」
狐雨「君達を見ているだけで、関わっているだけで、【自分のせいで死んだ君達】が脳裏に焼き付いて離れないいつもの様に想像してしまう」
狐雨「もう既に終わってしまった俺に唯一出来る事は、君達の未来を壊させない事」
狐雨「何時死んだって構わない。だからせめて、あの子たちの未来だけは……」
少し押し黙った後、ふっと口元に笑みを浮かべた
狐雨「変わりきってからでしか、気づけはしないのだ。だから終わった俺が背負おう。そうだ、俺が纏めて背負ってしまえばいい、そうすればきっと、あの子たちは幸せになれる筈なんだ」
狐雨「そうだそうすればよかったんだ、どうせ俺が死んだとしても、誰も悲しまない!
はは、あははは♪
アハハハハハハハハハハハハハハハハッ♪」
彼女の嗤い声が響いた
歪んだ思想が彼女の存在意義
その笑顔…否、嘲笑の裏側は、酷くどす黒い狂気が宿っているのだろうか
でも誰もその声には気づかない
嗤っていた彼女の目は酷く淀んでいた
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夜桜カナミ(プロフ) - nagisa@元雨雲悠真さん» ドンマイっす (2015年4月15日 17時) (レス) id: d06226f3b1 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - nagisa@元雨雲悠真さん» やりなおすしかないっす (2015年4月12日 22時) (レス) id: 33a31adbca (このIDを非表示/違反報告)
nagisa@元雨雲悠真 - データが飛びました\(^o^)/ (2015年4月12日 22時) (レス) id: ceb68977a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皆が大暴走しています(仮)作者様方々 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kuga kanoshi/
作成日時:2015年3月28日 21時