【名探偵コナン×魔法科】その日、満月は綺麗だった。〜第二夜〜

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チチチチチチ……。

『東都・杯戸町』

ーーー結果から言おう。
「関東エリア全滅、と……」
私は眠気まなこをこすりながら携帯メモの関東地方におおきくばってんを書いた。

(全く、ホラースポットとはよく言ったものだ……)

あんなのただあそこで人が死んだだけである。
霊子どころか想子まで感じられなかった。
しかも人がスピーカーで女の子の声を流していた。
あんなのただの想子の無駄だっての。
関東エリアは伝統が多く人が昼夜関わらず多いためかなり上空を飛ぶ必要がある。
早速昼間と夜含め5チャンスあったうちの一つを無駄にしてしまった。
しかも残り少ない想子の4分の一を消費して、である。
まじで解せぬ。
でも、考えてみれば関東エリアと関西エリアの方がパワースポットが多いのはきっと見てくれる読者が多いからだろう。
編集者のずる賢い意図に思いっきり舌打ちした。
なにを、こっちは本気(命懸け)であるのに。
私は怒りに震える手で昨日の残りのおにぎりをむちゅうでたべた。
今は午前7時。
THE・出勤タイムで人が多い中、公園端のベンチで縋り付くようにおにぎりを食べる私をみな不審がって遠巻きに見て去っていく。
自分の中にエネルギーが灯るのを感じつつ、食い入るように携帯を見つめる。
「今日の昼は北のほう、と……。
夜は近畿と中部にだね」
北のほうには杉沢村やあの囚人トンネルなどの王道があるらしい。
近畿あんど中部が数が少ない。今回は想子回復も兼ねてゆっくりといこう。

「……れっつごー」

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