【忍たま】いづこに失せにけむや : 水

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「……話の流れが読めないんですが」



それは私だけではないようだ。
乱太郎くん、きり丸くん、しんべえくんの3人も目を瞬いている。



「お主は裏山に現れる直前、駅とやらで術師の友人と共にいたとの事じゃったな？」

「そうです」



そう答えつつも、



(それ話したっけ)



と、私は記憶を探った。

うーん、あ、そうだ。
六年生2人に説明したんだった。一問一答形式で。一答じゃなかったけど。



「2つの噂に関して、儂らも色々と探りを入れ情報を集めたんじゃが……、どう考えても辻褄の合わぬことがある」



しかしな、と続ける学園長先生の眼光が強くなった……ような気がした。



「お主のような者……術師が関わっておるとなれば、説明がつく」

「……私だけでなく他の、あの時一緒にいた友人もこちらに来ているとお考えで？」

「そういうことじゃ」



私含め、今まで何人も“天女さん”が現れているから、可能性は否定できない。
直前まで近くにいたのなら、互いが互いを巻き込んで世界移動した、という線も捨てきれないし。

複数人の天女さんが同時に現れた事も、忍術学園以外の場所に天女さんが現れた事も、今までには確認されて無いそうだけど。



「……とりあえず、その2つの噂の内容を知りたいです」



聞かなければ判断も出来ない。

私の申し出を受けて学園長先生は、土井先生と山田先生に話を促す。


土井先生は、簡潔に進めたいので敬語は外させていただきます、と前置きしてから口火を切った。



「ドクタケという城があるんだが」

「戦好きの悪い城です！」
「冷えたチンゲンサイがいます！」
「赤いサングラスと忍者服がトレードマークです！」



情報量ヤバい。
土井先生、頭抱えてるし。



最初に乱太郎くんが言った内容は置いといて、後ろ2つは何。


冷えたチンゲンサイが“ある”、じゃなくて、“いる”？

それにサングラスとは。
また何ともこの世界のイメージにそぐわない。
というか、サングラスと忍者服の親和性ってどんなものなんだろう。

ユニークな見た目になりそうな…、案外スーツにサングラスと大差なかったり？



「ドクタケは以前、“空を飛ぶ秘薬”を手に入れようとしたことがあってな。結果として、忍術学園が阻止したんだが」



仕切り直すように、山田先生が言う。



「最近になって、ドクタケが空飛ぶ忍者隊を結成したという噂が広まっている」

「「「えぇ!?」」」



私ではなく、は組の3人が驚きの声を上げた。

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