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急な話に、私たちは戸惑いを隠せない。
どうしてですか、と話しかけた言葉を遮って、
「早めに頼む」
清水さんは立ち上がった。
混乱したまま、とりあえず2人で茂みに移動する。
背を低くして身を隠してから、私は伏木蔵に小声で話しかけた。
「…ねえ伏木蔵」
「なぁに？ 乱太郎」
「さっき……学校のこと話してた時、何か不思議そうにしてたけど」
気になることでもあったの？と続ければ、伏木蔵はうーん、と頭を傾けた。
「清水さん、学校って町のかって聞いてきたでしょ？ それって何か変じゃない？」
「……言われてみれば」
町以外にも学校があることを、知っているような聞き方。
山奥にある忍術学園が、真っ先に思い浮かぶ。
「あ」
「？ どうし……」
視線を移せば、あ、と伏木蔵と同じく声が漏れた。
清水さんが見つめていた左の道から2人、人が歩いて来る。
どちらも笠を深く被っているけど、多分男。
旅装束が立派な気がする…商人っぽい。
清水さんに気づいたのか、道の途中で足を止めて話し合っていたけど、結局そのまま近寄った。
そうして3人は会話を始める。離れているからその声は聞こえなかった。
「もしかして、用心棒の依頼？」
「すごいスリル〜」
息を潜めて、しばらく様子を伺う。
(……清水さんはあの2人に、いつ気づいたんだろう)
来ることが分かっていたから、私たちに隠れるよう言ったんだろう。
でもその時って、あの2人はまだ離れたところにいたんじゃ？
気配を感じようにも遠すぎる気がする。
そんな事を考えていたからか、時間は思ったより早く過ぎて。
話を終えたらしい2人の男は、清水さんに木箱を渡して、元来た道を去っていった。
その姿が完全に見えなくなると、清水さんは私たちに向かって手招きした。
私と伏木蔵はがさがさと茂みから出て、清水さんに駆け寄る。
「あの、今のは……」
「依頼だ。これをある場所まで届けてほしいと」
清水さんは片手で携えた木箱を示した。
「俺は移動するつもりだが……、2人は迷子なんだよな」
「「……はい」」
清水さんは顎に手を当てる。
私たちを気にしてくれているみたい。
確かに、こんな山奥に置き去りにされたら不味い。
何とかなる気もするけど。
ううん、不運だからやっぱり無理かも…。
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kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者の67話どのようなお話なのか凄く楽しみです。水の術者主人公君の武器は見つかったのか気になります。 (7月1日 10時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 水の術者主人公君と火の術者ヒロインちゃんの合流楽しみです。次は2人のうちどちらが登場するのか楽しみです。 (7月1日 9時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 待ってました。水の術者主人公君とタソガレドキの押都長烈さんの心理戦楽しみです。続き楽しみです。 (7月1日 1時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 続き楽しみです。 (6月30日 16時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 凄く面白いですし展開が楽しみでドキドキしてます。作者さん体調には気をつけてください。 (2023年2月5日 23時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノート角 | 作成日時：2019年11月19日 15時
