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憂鬱。
私の中でこの時間は最悪なのである。
「はーい、早速チームに分かれて練習してー!」
ピピーと先生の笛の音が体育館に響くと、私以外の女生徒は各チームにバレーの練習をしに散らばった。
そう、私は体育という体を動かす時間が苦手なのだ。
「あれ、なんでこんなとこ突っ立ってんの。早く練習するよ!氷哀さん!!!」
「うわっ」
同じチームの結怒 明香さんに腕を掴まれ、そのまま連れていかれた。
一番厄介な人である。
「さあ!さっさと練習やるぞー!!!!」
どこからそんな元気が来るのか、分けて欲しい。
彼女は、スポーツ馬鹿という異名を持つクラスの人気者。
スポーツはプロレベルなのだが、勉強は、学年最下位。とても残念な少女だ。
「まずパス練から行くぞー!」
「ねえ、一つ聞いて良い?なんで私とあなた以外のチームメンバーがいないの?」
ずっと思っていた疑問だった。
「え?だって優香達が氷哀さんを見てあげてって。うまくできるまで、私達は他のとこで練習するんだって」
結怒さんが、遠くでパス練をする優香さん達を指す。
さりげなく私の運動神経の悪さを馬鹿にされた気がする・・・。
はあ・・・と自分に対してため息を吐くと、チラリと隣でバスケをする男生徒を盗み見た。
あ、今楽雷くんがシュートした。・・・かっこいい・・・。
ン?今私なんて思った?
かっこいいって・・・
んなわけ。
悶々と考えていると、ガッチリ目が合った。
ので、思いっきり目をそらした。
「もう、やるよー。時間なくなっちゃう」
「あ、うん」
ボールを持つ彼女を見つめ、練習を開始した。
(「ん?氷哀さんか・・・」)
(「何、お前好きな人できたのかよ」)
(「んーどうだろ・・・ やっぱ___」)
(「・・・・・・・・・」)
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作者名:悲哀 | 作成日時:2018年7月26日 16時