目を覚ますと。 ページ12
目を覚ませば眩しい太陽の光が入ってくる。
見知らぬ部屋の天井。
見知らぬ感触の寝具。
腕の違和感。
それを感じた時に自分がどこに居るのかを察した。
「病院…。」
そうか、昨日、倒れて救急車に運ばれたんだ。
人通りは多くない所だった気がするが、たまたま通った人が呼んでくれたのかな。
本当に有難い…。
怠さが残る体を無理やり起こし、辺りを見渡す。
直ぐさま目に入ったのは見た事のある男の人の姿だった。
帝統さんじゃないか。
ベッドの横に置かれた椅子に座り眠っていた。
綺麗な寝顔だと思った。
20歳だからなのか、寝顔にはまだ幼さが残っている。
起こしてはまずいなと思い、もう一度ベッドに横たわる。
もしかしたら、帝統さんが救急車を呼んでくれたのかもしれない。
もしかしたら、一晩中隣に居てくれたのかもしれない。
もしかしたら、心配してくれてたのかもしれない…。
少し意地の悪い私は、私の為じゃなく、帝統さん自身の為の行動かもしれない、だなんて思ってしまう。
そんな事は思いたくないけれど…。
その可能性が無いことは無い、そう考えると胸がチクチクと痛む。
次第に頬を涙が伝う。
どうしてだろう。彼の事が気になって仕方ないのだ。
彼が何を考えているか、私に対してどんな感情を抱いているのか、彼の事をとことん知りたいと思う。
今まで、異性に対してこんな感情を抱く事は無かった。
「何だろう、この、何とも言えない気持ち…。」
そう呟いた後、帝統さんが目を覚ました。
もしかして、今の聞かれてた…?
「んぁ、目ェ覚ましたか…。おはよう、体は、その、大丈夫なのか?」
「え、あっ、うん、だ、大分良くなった、と思う…。」
焦りで言葉に詰まり、噛んでしまった。
流石に動揺し過ぎではないか。
さっきの言葉、聞こえてないといいな。
頼むから、聞こえたとしても聞かなかった事にして欲しい。
「それで、昨日は一体何があったんだ?道端でぶっ倒れてて、名前呼んでも反応しなかったけど…。」
「いやあ、その、変な人に絡まれて、ね…。ちょっとだけ、やられた、だけ…。うん…。ちょっとだけね…。」
一体私は何を言っているのだろう。
語彙力が完全に低下している。
いやその前に、ヒプノシスマイクを持ってるのがバレたらやばいのでは…。
「…どういうことだ?」
「いや、何でもない!疲れてただけ!」
この時私は何とか誤魔化して隠せたと思っていた。
その誤魔化しは勘のいい彼には効かなかったようだが…。
8/12 誤字修正
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黒い人。 - となりの躑躅森 _ ?.*?????さん» 返信ありがとうございます..!お身体に気を付け頑張ってください..! (2020年10月14日 1時) (レス) id: 913d4eaa3c (このIDを非表示/違反報告)
となりの躑躅森 _ ?.*?????(プロフ) - 黒い人。さん» コメントありがとうございます!とても励みになりました、頑張ります!! (2020年10月13日 16時) (レス) id: de6324bae7 (このIDを非表示/違反報告)
黒い人。 - めちゃめちゃすきです..!!更新は作者様のペースで良いですよ!!更新気長に待ってます! (2020年10月11日 22時) (レス) id: 913d4eaa3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:となりの躑躅森 | 作成日時:2020年6月13日 9時