【歌い手】紫色カレシ。【志麻】

# し る し ページ13

今日は、Aの勤めている会社が
設立? 記念だとかで休みやった。



ここ最近、彼女の仕事が忙しいのと、
俺は、歌い手関係であんまり家に
帰えれなくて、二人でいる時間が
極端に少なかった。



まぁ、俺は割と平気やったんやけど、
Aは、既に禁断症状が出とる。



でも、寂しかったのはお互い様やな。



ダイニングの方で、読書していた
彼女に声を掛ける。


『A、こっち来て?』


貴「うん」


返事は淡白な物だったが、
Aの顔が緩んどる。


分かりやす……
まぁ、そんなとこも好きやけど。



俺の隣に座ろうとしたAを


『あー、ちゃう。…ここ。』

　 と言って俺の足の間に座らせた。



俺の方に軽く寄りかかり、
再び本を読み始める彼女。



『……………。』

貴「……………。」




何も喋らへんけど、今はそれが、





(一番、幸せだったりするんよな…)




Aの柔らかな髪がはらはらと
肩からこぼれ落ち、白い、綺麗な
首筋が露になる。




ちょっとだけイタズラしたいな……


怒るんかな……



でも、Aなら顔を真っ赤にして
かわええ反応してくれるしな……







ちょっとだけやから。








ちょっとだけ。………な?

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