元ゼロ所属の救済人【警察学校組】【名探偵コナン】

２２：恋とキス ページ24

一粒の涙と共に笑いがこぼれた



『...うん、ありがとう』



最初から心配なんていらなかったのだ

陣平はわたしが思っている以上にわたしを理解してくれている




「礼なんざ要らねえよ」
『わたしの自己満足』



いつかしたやり取りをもう一度、今度は逆の立場で




「ふはっ」
『あははっ』




陣平もそれを思い出したのか、同時に吹き出す


遠回しに告白されたというのに、さっきよりも柔らかい雰囲気が場を包んでいた




「ねえ園子、あそこの二人すごく良い雰囲気じゃない？」
「ほんと！そのままキスしてしまえば良いのに...ってあれ松田刑事じゃないの？彼女いたのね」




ふと聞いたことがある声が耳を刺す

それが誰かを確かめる前に、吐き出された内容に羞恥で思わず目を強く瞑った



そうか周りにはそう見えるよな......こんな至近距離だもんね



というか目的の一部らしい零はどこにいるんだ


恥ずかしいからちょっと助けてくれ




「ご注文はいかがなさいますか...？」
『ひっ』
「くくっ」



耳にするりと入ってきた聞き慣れたその声が、いつもより低くてびくりと肩を揺らす


笑うな陣平、零は笑顔黒すぎ

ていうかまだ額くっついたままなんですが



「邪魔が入ったな......んじゃ一個だけ」
『？...っ』

にやりと笑った陣平に、問おうと開いた口を開ききる前に塞がれた



突然のことに瞑れなかった目が、綺麗な青い目とかち合う


「松田......っ」
「おーおーどうした安室サンよ」



離された後も、その青だけが妙に頭に残った

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