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あれから幾日も経った。
けれど未だにA達は帰って来ない。恋柱様もAのことをとても心配して毎日のように蝶屋敷を訪れてはAが運び込まれていないか尋ねてくる。
師範やアオイがいないと応えると恋柱様はそう…ありがとう…と言って蝶屋敷を去って行く。その背はとても小さかった。
時折蛇柱様も恋柱様と一緒に訪れてAについて尋ねてくる。二人共日に日に顔に落とされる影が濃くなっていくのがわかった。
そんな時。
「アオイ！今すぐ治療の準備を！」
血相を変えて師範が蝶屋敷に帰って来た。いつもの貼り付けた微笑みすら剥がれていた。きっと何かあったんだ。
「わかりました！」
アオイも師範の様子を見てただ事ではないと悟り大急ぎで治療器具を治療室に運び込んだ。
私は医学については一切の知識を持ち合わせていないから手伝うことすらできない。
自分の無力さに耐えられず羽織の裾をぎゅっと握った。
「早く意識不明の重体の人達を屋敷に運んで来てください！」
師範の掛け声にはい！という隠達。
意識不明の重体…と聞いてまず浮かび上がってきたのは、音柱様に連れて行かれたA達だった。
＿＿＿違う、よね？
今すぐにでも誰か確認したいけれどそんなことしたら師範とアオイの邪魔になってしまう。
どうか、どうか皆んなじゃありませんように…。
＿＿＿そんな願いも虚しく、集中治療を終えたのはA、炭治郎、善逸、伊之助の四人だった。
音柱様もかなりの重症だったみたいだけれど無事だったみたい。でも左目と左腕を失くしてしまったらしい。
特にAと炭治郎が危なかったみたい。
今、昏睡状態に陥っていていつ目覚めるのかすらわからない…。
アオイは夜な夜な人知れず、お願い、皆んな意識を取り戻して…とひとり懇願していた。
私は何か言葉を掛けてあげるべきだった。でも。
私はAや炭治郎みたいに優しい人間じゃないから。何を言ってあげれば良いのかわからなかった。
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hikari - この作品、めちゃくちゃ面白いです！ (2022年4月24日 19時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - もし作ることができれば、『＜番外編＞』を、作ってほしいです。 できますか？ (2022年4月7日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 見ていて、悲しくなって、泣きそうになりました。素晴らしい作品ですね。 (2022年3月13日 15時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 切ないところもあったけれど、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年3月12日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - コメント失礼いたします。とても切なく、それでもあったかいお話で感動しました。同時に、このお話の夢主目線のお話も見てみたいなと思いました。もしお時間があり、いいなと思っていただけたらそんなお話も作っていただけたら幸いです。 (2020年11月3日 21時) (レス) id: 51a3f09150 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白霞
| 作成日時：2020年5月30日 19時
