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「カナヲー、機能回復訓練の時間よー!」



Aと話していたらいつの間にかそんな時間になっていたみたい。Aといると時間の進み方が本当に違う。あっという間に一瞬一瞬が過ぎていくのだ。



「あ、もうそんな時間か…」



残念そうに眉を下げるAを見て、私といる時間が彼女にとって好きな時間であることを示されたみたいで、少しだけ気恥ずかしいけれど嬉しかった。



「Aも見学していく?とは言っても今は炭治郎さんしか機能回復訓練に参加していないのだけど…」

「え?善逸と伊之助は?」

「逃げたわ。」

「あちゃー…」



二人共何やってるのー…とAは溜め息をついた。
そしてよいしょ、と腰を上げると大きく伸びをした。



「本当は見学して行きたいんだけど…今日は午後から師範に稽古をつけて貰う日だからまた今度にするね。」

「わかったわ。何時でも見に来て良いからね。」

「ふふ、ありがとアオイ。」



二人が仲良く話す姿を見て、私もあの輪の中に入りたい、とほんの少しだけ思った。
二人と笑いあえたらどれだけ素敵なのだろう…。

とくり。心臓が高鳴る。



「じゃあまたね!」

「気を付けて!」

「……、ま、たね…!」



軽く手を振って蝶屋敷から走り去るAをアオイと見送って私達は機能回復訓練をする為に屋敷に戻った。


二人で並んで廊下を歩いている時、ふいにアオイに声を掛けられた。



「カナヲはAといる時、凄く楽しそう。Aと出会えて、良かったわね。」



そう言ってアオイはふわりと微笑んだ。
その表情は安堵の色を含んでいた。



「……うん。」



ぎゅっと胸に手を当てて、肯定の言葉をアオイに返した。

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hikari - この作品、めちゃくちゃ面白いです! (2022年4月24日 19時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - もし作ることができれば、『<番外編>』を、作ってほしいです。 できますか? (2022年4月7日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 見ていて、悲しくなって、泣きそうになりました。素晴らしい作品ですね。 (2022年3月13日 15時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 切ないところもあったけれど、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年3月12日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - コメント失礼いたします。とても切なく、それでもあったかいお話で感動しました。同時に、このお話の夢主目線のお話も見てみたいなと思いました。もしお時間があり、いいなと思っていただけたらそんなお話も作っていただけたら幸いです。 (2020年11月3日 21時) (レス) id: 51a3f09150 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年5月30日 19時

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