悪戯仕掛人の頭脳派少女 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:367 hit

2話ページ2

明らかに少年に向けられた言葉であるにも関わらず、彼は眉を少し動かしただけで返事はしなかった。

(私の出方を待ってるのかな？)

変な人だと思いながらも、ニコニコ顔は崩さずに続ける。

『私はA･クラーク。
レイブンクローの1年生。君は？』

少年は少し考えるように目を伏せると、そのまま言った。

「俺は、シリウス。グリフィンドールの1年。
お前と同じ1年生だが、入学式の時、俺はお前を見てない。同じ新入生なら絶対にお前は大広間に居たはずだ。」

真っ直ぐAの顔を見つめた少年は、ポケットに突っ込んでいた手を出してAを指さした。

「それに、今は授業中だ。呑気に昼寝なんかしてていいのか？勤勉なレイブンクロー生に有るまじき行為だな。」

Aを馬鹿にするように鼻で笑った少年にAはムッとして言った。

『じゃあ君はどうなの？シリウス君？』

「俺は先生に言われてお前を呼び戻しに来たんだ。」

Aは疑わしげに少年を見たが、どうやっても言い逃れのできない状況にやがて諦めたようにため息をついた。

『分かったよ、今回は授業に戻る。
でも、なんで私がここに居ることがわかったの？』

少年はハグリッドの家の方向を指さした。

「前にハグリッドが教えてくれたんだ。そのハンモックの持ち主の事をな。銀色の髪に深緑の瞳の女の子が居るって。」