悪戯仕掛人の頭脳派少女 (ページ1)

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1話ページ1

『ふわぁ〜』

禁じられた森の側のハグリッドの家、
の側の大木。

自作のハンモックで横になっていたAは
枕になっていた小説を引っ張り出して
顔にかかる陽射しを遮るように適当に
ページを開いて乗せた。

『いい昼下がりだ…』

呟くとAは自分の頭上から気配がすることに気がついた。

のそりと起き上がり、地面に落ちた小説を無視して振り返ると、

『おや…？どちら様？』

見知らぬ少年が近くの木に寄りかかってAを眺めていた。

ホグワーツにも顔の整った生徒は何人かいるが、その中でもトップクラスの美少年だった。
タイの色は赤。ローブが真新しいのでおそらくグリフィンドールの1年生だろう。

返事がないのでAはハンモックに腰掛けたままじっと考える。
(入学式の時、こんな人居たっけ？)
少し考えてAは、
自分は入学式の時大広間に居なかったことを思い出した。
今だに無表情でこちらを眺めている少年もきっとAのことは知らないだろう。
(仕方ない、自己紹介でもしとくか。)
小説を踏まないようにハンモックから飛び降りるとAは少年に向かってニッコリと笑った。

『はじめまして』