【忍たま】鉢かづき姫

どうも、鉢かぶってます ページ12

『そうと決まれば、善法寺！
生徒全員を集めるのじゃ！
Aの紹介をするぞ！！』


え、でも話せませんよ。
おまけに鉢かぶった変人ときた


ああ、善法寺さんが行ってしまった


焦る私を察してくれたのか
学園長先生は


『話せないのじゃろ。
分かっておる。わしがフォローするわ。
それに面白いことが思いついたんじゃっ！
まあ、楽しみにしておれ』

楽しみに…、もうしてます！！


　
私のことはまたたく間に学園中に広まった
噂というものは早いものである

***
新しい用務員さんが来たらしい

鉢をかぶっている、素顔が見えない

どんな素顔をしているのだろう

どんな人なんだろう…
***



「ぶえっくしょぉい！！…ちくしょぉぉ…！」


こんな人です。何かごめんね


(くしゃみはノーカウント
その後のちくしょうもノーカウントだろJK)


生徒全員が忍者学園の裏庭に集まっている
この人たち全員未来の忍者…


私は呼ばれるまで隠れている


忍者装束に色がついている
水色模様、青、薄緑、紫、青紫、深緑
わお、カラフル
全員集まると映えるね


『それじゃ、呼ぶとしよう
忍術学園新任用務員、古賀A！！』


覚悟を決めて、足を踏み出す。
足取りの一歩一歩が慎重になる。


私が姿を表したとたん、生徒達の間で
驚愕の嵐を巻き起こした。

どよどよ ざわざわ

__ほんとうに鉢をかぶっている…！！

どこから情報が漏れたのか
生徒たちが連鎖のように口にする


生徒達の前に到着


(どうも、鉢かぶってます)

「……」

手が小刻みに震える

自分の名前も、得意なことも、好きなことも
私は声に出すことができない

気の利いたこともいえない


もし仮に、このルールがなかったとしても
果たして私は声を出すことができただろうか


鉢をかぶっていなくても、結局は同じ？

鉢があるか、ないか。

じゃない

それよりもまず前に…


『紹介する。古賀Aじゃ！
こやつは少々事情があって話すことを
得意としていない。が、大丈夫じゃろう！』

学園長先生が代わりに話す


そんなはっきりと大丈夫っていわれたら
保証はなけれど、どこか安心する


『そして、この鉢じゃが…取れないそうじゃ！』


鉢、と聞いて待ってました！といわんばかりに
期待していた生徒たちは呆気にとられて
その場にガクッと倒れる

取れないんかいっ！と


『そこでお主らに司令じゃ！！


この古賀Aの鉢を
一番最初に取ることができた者には…


所属する委員会に多額の予算を授ける！！』


瞬間


生徒達の間で歓声の花火が上がった


皆が各々の顔にその決意を示す

誰も負けてはいない


一部の者は苦悩の表情を浮かべ頭を抱えていたが
　

食堂にて→←忍術学園

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