転生試験

精神9 ページ10

ｸｽｸｽと笑うフードを深く被っている男？

「……あの、貴方は？」

警戒しながら聞いてみると

ﾋﾟｮｺｯ

「猫耳!?」

フードから耳がﾋﾟﾝｯと出てきた

「んー、俺は……」

言いかけたとき

「3次試験が開始されますので此方の椅子にお座り下さい」

Aさんは七つのカラフルな椅子を指差した

「どの席でも構いませんよ？」

相変わらず何を考えているのか全く分からない笑みで魁夜さんは私たちの背中を押した

「じゃあ、俺は“青”の椅子に座るぜ」

良は躊躇いなく座った

「“赤”の椅子にしよう」

隣に座ると…

「ふーん…“黒”の椅子にするよー」

さっきの怪しい男が私の隣に座った

「そんなに睨まないでよー

可愛い顔が台無しだよー」

!?フードで私の顔は見えないと思ったのに

しかも、最後棒読みだし

「まぁ、君達“人間”はこの試験受かるなんて思ってないしー

ここで、俺に会うのも最後かもね

俺は合格するけどねー」

僅かに見える口元からは牙があったような気がした

「私だって…!!絶対に合格するから

不合格になるのは貴方の方じゃないの？」

あまりにも言われっぱなしだったので言い返した

「……楽しみにしてるよ」

さっきとは違う雰囲気で黙ってしまった

………え？

彼と喋っていて気付かなかったが周りの受験者は静かに目を瞑っていた

「どう……い……う………こ……と」

何でだろう身体が…頭がﾌﾜﾌﾜする

そして、意識を手放した

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