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十一 ページ11

伊黒side


逃げた

生き地獄から逃げ出した


俺が逃げ出したからか屋敷の方では探せ、探せと声がして時折女の叫び声が俺の耳に届いた



嫌だ、殺されたくない


折角あの地獄から逃げ出せたんだ


何としても逃げなくては


俺の足音の他にもう1つ、音が聞こえた


追手...!?もう...!?


嫌だ嫌だ、殺されたくない!!


パシっと手を取られた


『離せっ!!』


「え、ゴメン!!追手じゃないから!!離したくない!!」


!?

誰だこの女...屋敷の人間じゃない...


「鬼斬ってたら助けるのが遅くなって...ごめんなさい」


助け...?

助けって言ったか...?


「あの鬼はもう私が斬ったから大丈夫。
怖かったね、よくこれまで頑張ったね。大丈夫だからね」


女は俺を優しく包み込んだ


こんなにも優しく俺の事を抱きしめる女は初めてだ


温かい


俺の目からほろほろと涙がこぼれた


こんなにも優しい人がこの世界にはいたのか


「大丈夫、大丈夫。もう怖い鬼はいないから」


その人は俺が泣き終わるまで抱きしめてくれていた


そして俺は泣き疲れて寝てしまっていたのか目を開いたときには


「大丈夫か少年」


その人はいなくなっていた


俺が起きた時にいた男によると俺は木にもたれかかって気を失っていたらしい

その時にはもうその女の人はいなかったと男が言っていた


...俺の幻覚だったのか?


あんな天から舞い降りた天使のような人がいるわけがない

そうだ、俺の幻覚だったのだ


「...少年、その女の特徴は言えるか」


『淡黄檗色の髪の毛に...綺麗な翡翠の瞳...だった...』


「!そうか...ありがとう」


その後のことはよく覚えていない


だけど俺の体には彼女がくれた温かみがまだ残っていた

十二→←十



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lokiloki - 恵んでください (2023年4月10日 21時) (レス) @page14 id: 7b4cdc54cb (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - また更新してほしいです、白亜さんのほうに余裕が出来たら更新してくれると嬉しいです! (2022年9月3日 17時) (レス) @page14 id: ee0c8201a9 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - 続きが速く見たいです!頑張ってください (2022年3月28日 22時) (レス) @page14 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
テンプラさん(プロフ) - 更新頑張ってください!頑張れ夢主チャン! (2021年12月11日 20時) (レス) @page14 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - とても面白いです。続きをお願いします!更新頑張ってください(ง*˙꒳˙)ง (2021年10月10日 18時) (レス) id: 757c8a2f9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白亜 | 作成日時:2021年9月25日 23時

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