無表情系少女は驚きを理解したい【刀剣乱舞】 (ページ30)

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第六十七話　薬研と少女と御神体ページ30

　
　
　
『ったく、いつまで待ちゃあいいのかって暇してたこっちの身にもなれって…』

あの変な気配はこの〝薬研藤四郎〟から出ていたのか…
つまり神域から漏れ出すほどの神力となる。
これが薬研藤四郎の本霊か……。
絶体絶命、と言ったが相手は〝待っていた〟と言った。
私達が来ることを予期していたのか…？

「なんで〝薬研藤四郎〟の本霊が…っ」
『なんで、って言われてもなぁ…百年くらい前から俺っちは〝この土地の主〟になってたしなぁ…。っと、それよりだ。そこの〝薬研〟はあの気まぐれに会ったのか？』
「気まぐれ…？」

〝気まぐれ〟とは誰の事だ…？
いや、それよりこの付喪神今なんて言った？
百年くらい前からここの土地神になってた、って言ったか？
百年前…、確か仏教や色んな神社、寺院を保護する団体が設立した年の筈
……そういえば、母さんもその団体に所属してた気が。
…まさか

「話の見えない会話の途中失礼するぞ、〝本霊薬研〟」
『あ？』
「一つ質問をさせてほしい」
『……』
「ありがとう、単刀直入に訊く。貴方の本体である焼け朽ちた刀の柄を孤児院の蔵(ここ)に置いたのは誰？」
『…一応訊くが、その問いに俺っちが答えりゃ俺っちに利益はあるのか？』
「ない。だがこれは私の中の疑問を解消したいだけの自己満足の問いだ、答える気が無いなら構わない。この件(くだん)に関与してそうな人物は一人心当たりはある。貴方が答えなければその人物に訊く」

彼が答えないなら、あの人に訊けばいい話。
答えてくれるまで粘る気は当然ある。
本霊の方の薬研は目を細め、私を見る
この目を私は知っている、人を品定めする目だ
小さい時に何度も知らぬ爺共(じじいども)にそういう目で見られていた。
祖父と共に行動することが多かった私は祖父といる代わりに何かを代償としたのだろう。

────それが、〝人としての心〟なのかも知れない。

『───ぷっ、あっはははははは！』

「は…？」

突如笑い転げる土地神薬研。
……別に笑わすことは言っていない筈なんだが。

＿＿＿
明神ちゃんの薬研(本霊)の呼び方がちょこちょこ変わる事に作者は動揺しています←
というか、文字打ってて一番驚いたのが薬研(本霊)を明神ちゃんの住む土地の神にしちゃってたことです、いや…うん、自分で考えた物語構成ですけど…
まぁいっか！面白ければ全てよし！うん！(開き直り)
こういうのは思い切りが肝心！と思いながら打ちました←