刀剣男士に誘拐されました。

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「人質と言っても
俺らは鬼ではないからな。
お主には部屋を与える」

人殺しが何を言っているんだか

『ありがとうございます』

「まぁ、そこにいる無様な姿になった
審神者の空き部屋だが」

曰く付き物件じゃないですか…やだぁ

「鶴丸よ、案内してやれ」

「ほいほい」

鶴丸さんは三日月さんの
部下的な神なのだろうか

さっきからパシられているよね？

まぁ、それだけ信頼しているのだろう

「あぁ、そうだ...言い忘れていた」

部屋から出ようとする私を
呼び止める三日月さん

「くれぐれも、ここにいる奴らに
手出しをしないように…
中には人を憎むやつもおる
もしかしたらお主を襲いかかるかもしれんな」


はははっ…と笑う三日月さん

冗談に聞こえるが
きっとこれは本当だろう


とりあえず…
関わらなければいいんだよね、うん

早く政府来てくれないかな…
私の命がなくなる前に


「行くぞ」

鶴丸さんに呼ばれ、後ろをついて行く

鶴丸さんも初対面の時よりかは
扱いが優しくなった

薬研さんのお陰だろうか？
薬研さんはきっといい神様だ

薬研さんには、会ったらお礼を言おう
それくらいなら大丈夫だよね

「君、名前は」

歩いていると
鶴丸さんに話しかけられた

『名前ですか…』

「あぁ」

『琳堂(リンドウ)Aといいます』

私が名前を言うと
目を見開き、驚く鶴丸さん

「…ははっ、気に入った」

なにこの神様…
名前言っただけで気に入られるものなの

よくわからないな

「いやぁ、久しぶりに驚いた」

眩しい笑顔を見せる鶴丸さん

『鶴丸さんって本当は感情豊かなんですね』

拘束されている時は
冷酷で、一言も喋る事を
許してもらえなかったのに

「君のせいかもな…」

いや、私、名前を言っただけなんですけど！

名前言っただけで
こんなに態度変わる？？

「着いたぞ」

『ここが娘さんの部屋だったところ…』

なんか物凄い負のオーラが

あと、鉄の匂い

『もしかしてここで殺りました？』

「そうだな」

いやいやいや
真顔で答えるところではないですよ
鶴丸さん

『その後部屋の掃除はしましたか？』

「そういえば…してないな」

…絶句ですよ

なんも言葉が出ない


『わかりました…ちなみに
掃除道具ってどこにありますかね…』


私は、ひとまず
この部屋の片付けを始めることにした

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