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ページ29

「…っ!あ…るじ!」

誰かに体を揺すられる

視界がぼんやりとして
ハッキリとはわからない

『だれ…?』

重い瞼を擦り、確認を取る

「長谷部です!主!」


『はせべ??』


なんで…確か私は
みっちゃんといたはず

周りを見渡せば
見慣れた自分の部屋

長谷部が連れてきてくれたのだろうか

「えぇ、長谷部です。
主が気を失われていたので
奴の部屋から連れ出してきました」

奴とはみっちゃんの事だろう

『そっか…ありがとう』

「主…申し訳ございません」

突然頭を下げる長谷部

『え?どうしたの…』

わけのわからない行動に
パニックになる

「歌仙兼定を刺してしまったこと…
下手すれば主にも被害がありました」

反省していたのか
本当に申し訳無さそうに謝る

「主に危害を加えぬよう配慮したものの
結果、怖がらせてしまいました」

確かに
あの時の長谷部は怖かった

『長谷部のしたことを
正直、私は許せない』

「っ!すみません…」

『顔を上げて、私の目を見て』


いくら許されないことがあろうとも
私は貴方を嫌いになったりしない


『二度としないと誓える?』

はい、と言って欲しかった

「それは…わかりません」

でも、長谷部はわからないと答えた

『なぜ…?』

「主を独占したいからです」

ふと、手紙の内容を思い出す

「俺だけの主になってくれるなら
この身が果てようとも誓えます」

私の手を優しく両手で包み込む長谷部

「しかし、主が
他の奴に目移りするならば誓えません」

その言葉は
私を縛り付けるには十分過ぎた

「俺は4日も我慢したんです
なのに主は言いつけも守らず俺を裏切った」

『それは…っ』

「俺の言うことを聞いていれば
歌仙も傷付かずに済んだ…そうですよね?」


そうだ

あの手紙の通りに
長谷部の言うことを聞いていれば
歌仙は傷付かずに済んだ

《主は罪だね》

みっちゃんのあの言葉

今ならなんとなくわかる
全ては私のせいだった

きちんと言うことを聞いていれば

彼らの想いに早く気づいていれば

最初から甘やかさずに育てていれば



「主…俺だけの主になってくれますか?」


こんな悲劇にはならなかっただろうか


『…はい』


私に、残された道はもうなかった

苦しみ→←焦り



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(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます!素敵な作品だなんて光栄です>_<こちらこそ読んでいただきありがとうございました!! (2017年12月22日 22時) (レス) id: a4f3ccf7ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 連載お疲れ様でした!ヤンデレ大好きなので悶え苦しみながら見させて貰いました!!素敵な作品を有難う御座いました(*´∀`*) (2017年12月22日 22時) (レス) id: a57b441503 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 木野真奈さん» 無事に完結いたしました!はは…やりかねませんねwありがとうございます! (2017年12月20日 17時) (レス) id: a4f3ccf7ff (このIDを非表示/違反報告)
木野真奈(プロフ) - 来れなかった間に終わってた・・・なんか、主さんが消えた後でショックすぎてみっちゃんが手当たり次第折りそうで怖い・・・お疲れ様でした次回作も読ませていただきます (2017年12月20日 16時) (レス) id: 088ecfe5cf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 有里雨さん» ありがとうございます!次作も頑張らせて頂きますね!こちらこそありがとうございました(*^^*) (2017年12月19日 0時) (レス) id: a4f3ccf7ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年11月2日 17時

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