いずれ地獄でお会いしましょう【へし切長谷部】

手紙 ページ8

「おはよう、主。
昨日はよく眠れたかい？」

『おはよう、石切丸。
貴方の祈祷のお陰かな。よく眠れたよ』

昨晩、石切丸には祈祷をしてもらった
そのお陰で疲れも取れ、ぐっすり眠れたようだ

「それは良かった」


「ここにいたのか」

石切丸と廊下で立ち話をしていると
山姥切がこちらに向かってきた

「長谷部からアンタ宛に手紙が届いた」

彼の手には1枚の封筒

『ありがとう』

長谷部からという言葉に嬉しく思い
それを受け取る

「礼などいらん」

封を開け、手紙を読む

『長谷部…』

「どうしたんだい？主」

気になったのか
石切丸と山姥切も手紙を覗く

「これは…」

「彼奴も気の毒だな」

安土に行ったんだね、長谷部

「ん？続きがあるな…」

『続き…？』

手紙には続きがあったらしく
石切丸が読み上げる

「主は今何をしていますか？
ご無事でしょうか？
長谷部がいなくて寂しいことでしょう....」

心配性だなぁ

『長谷部の方が寂しそうだね』

「そうか？」

「少し主への執着心が強い気もするね」

残りの文も読み終え
手紙をしまう

「主もあまり甘やかしちゃだめだよ？」

『うーん、わかった』

甘やかしてるつもりはないんだけどね


「主殿、朝食の準備が整っておりますぞ」

伝えに来てくれたのか
一期が声を掛けてきた

『ありがとう一期』

今日も皆と一緒に食べていいのかな？

「行くぞ」

少し困っていると
山姥切が私の手を取り
食堂へと歩を進めた

「おや、珍しい」

「山姥切殿も主殿がお好きなようですね」


その場に残された2人は
彼らの背中を微笑ましそうに見ていた

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