いずれ地獄でお会いしましょう【へし切長谷部】

オモイ ページ7

長谷部side


「ここが俺の修行の地か…」

また何故このような場所に…

宿屋の一室で頭を抱える


しかし…過去を圧し切ってこその修行だ
弱音など吐いていられん



「もう半日が経過したのか」

ポケットから懐中時計を取り出し
時刻を確認する


半日ではまだ修行の実感も湧かないな

主は今頃何しているだろうか
きちんと食事は採っているのだろうか

4日も主に会えないとは…心苦しい

「そうか、主に手紙でも書くとしよう」

荷物袋の中から手紙一式を取り出し

今日の出来事を綴る





主へ

お元気でしょうか。
修行の旅の許可を出していただき、
本当にありがとうございます。

かくなる上は、主の剣として恥じぬよう、
切れ味を増して帰る所存です。

しかし、修行の地として
連れてこられたここは…。
…どうしたものですかね。

因縁深い安土に
連れてこられてしまったようです。



「こんなもんか…？」

まだ何か足りない気もする


一人唸っていると、出発前の出来事が蘇る

「光忠のやつ…」

腹立たしい

そう思っていると
俺は無心で手紙の続きを書き始めていた



主は今何をしていますか？
ご無事でしょうか？
長谷部がいなくて寂しいことでしょう。
4日なんてすぐです。
主に相応しい剣は、今もこれからも
きっと長谷部でしょう。
俺がいないからと言って
他の剣に目移りなんてしないでくださいよ。
長谷部の思いが主に届く事を願います。

長谷部より


「少し書き過ぎたか？」


まぁ、良いだろ…

これで俺の想いも届くはず

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