30話《優しさ》【彩】 ページ30
こんな感じで
私の近侍は決まり
今現在に到る
ある朝
『……狐、さん?』
もふもふとした感触
「どうしました、あるじどの?」
欠伸をして伸びをした
鳴狐のお付きの狐
『……どうして私の布団の中にいるのか、疑問に思ってしまって』
私は苦笑いで返す
「鳴狐に云われたので御座います、あるじどのと一緒に寝て欲しいと」
『……!?』
最初は吃驚したけれど
直ぐにそんな感情は無くなった
これは彼なりの優しさなのだ
『狐さん、鳴狐は?』
「まだ寝ていると…」
『…そっか。じゃあ、起こしに行きましょうか』
そう言って私は鳴狐の元に向かった
外は寒い
やっぱりもっと服を持ってくるべきだった
『うう…寒い、です…っくしゅん!』
盛大なくしゃみをしてしまった
かなり恥ずかしい
「……主、もっと着なきゃ駄目だよ?」
『な、鳴狐…。あれ、寝てたのでは…?』
「今、起きた。主を起こしに行く途中に、丁度くしゃみが聞こえた」
やっぱり聞こえてた…
「…だから、これ着て?」
ぱさっ、と肩に掛けられたのは
いつも身に付けているジャージの上着
『で、でも…それじゃあ鳴狐が…!』
「…大丈夫。これなら寒くない」
そう言って私の手を掴んでくれる
「……良い匂いがしますぞ、鳴狐にあるじどの! 朝食が出来たのかもしれません!」
確かに。とても良い匂いがする
私達は足早に皆さんと
食事をする場所に向かった
31話《合宿雪合戦 壱》【日向】→←29話《前主との壁》【寿】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風鈴(プロフ) - 霧月さん» はい、構いません！空いてる日は明日ですが大丈夫ですか？ (2017年1月2日 0時) (
レス) id: 4377e4976a (このIDを非表示/違反報告)
霧月 - ごめんなさい。諸事情により更新出来ませんでした。ので空いてる日に更新させて頂いても良いですか？ (2017年1月2日 0時) (レス) id: 8bfb8600b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
