22話 ≪ 皆の為 ≫ 【 あかり 】 ページ22
「 、必ずｯ、必ず戻って参りますからｯ、皆様を置いては行きませんから、二週間程、留守に致します. 皆様が少しでも早く居心地の良い本丸と成ります様、勉強して参ります. では、行って来ます、.. 」
誰も居ない玄関に、誰も聞いてないであろう玄関にそう告げて、余何にも執着していなかった何もかも心底どうでもよいと云う鶴丸を近侍にしてこの合宿場に来たのは7日前。期限までの半分が過ぎた。
...
驚きは人生のｽﾊﾟｲｽ、其れはきっと、彼が詰まらない皇居の中で思い知り 学んだ事で、其れが彼の口癖だった。この本丸に来て、何にも興味を示さない虚ろな彼の瞳を見た時、彼が一番の重傷者である事を確信した。確かに、心が壊れてしまっていた刀剣は何人も居たけれど、彼は心が枯れていた、腐っていた。
此処に連れてきて、あの本丸とは違うものに触れて少しずつ少しずつ以前の彼に戻りつつあるようで良かった、安心した。然し、未だ半分は廃れたままの本丸で暮らす彼等の事が気掛かりで致し方ない。
...
そして、本日は私が自由に皆様に御指示を出す事が出来る日だと主催の華芽様から仰せ付かっている。
「 本日は、審神者近侍総出でこの合宿場を大掃除しようと思います。 」
午前9時。動き易い格好で、と大広間に皆様を御集めして本日の日程を告げる。明日は大晦日、大掃除どころでは無いだろうと本日企画してみたのだった。掃除用具は昨日の内に把握済み。一組ずつに渡る様に 既に水の入ったﾊﾞｹﾂ、雑巾、ほうきｾｯﾄ、を14組用意してずらり、と並ばせた。
「 御嫌かもしれませんが、今年は此処で年を越すのですから どうせですから気持ちよく迎えたいと思いました。また、此れによって皆様との親睦が深められればと思っています。協力御願い致します。 」
一揖すればへらり、と微笑む。では、早速作業に移りましょう、とぱん、と手を叩いてそれぞれの組に掃除箇所を指定する。此れだけ広い合宿場なのだ、きっと掃除のし甲斐があるだろう。
「 では、始めましょう！ 」
そう声を掛ければ、それぞれが指定した箇所に向かっていくのを見届けて、我が近侍の鶴丸の方を向いて、私たちも行きましょう、と微笑み掛けた。
23話 ≪ 大掃除 ≫ 【 あかり 】→←21話《異議あり》[寿]
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風鈴(プロフ) - 霧月さん» はい、構いません！空いてる日は明日ですが大丈夫ですか？ (2017年1月2日 0時) (
レス) id: 4377e4976a (このIDを非表示/違反報告)
霧月 - ごめんなさい。諸事情により更新出来ませんでした。ので空いてる日に更新させて頂いても良いですか？ (2017年1月2日 0時) (レス) id: 8bfb8600b1 (このIDを非表示/違反報告)
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