悪友、人虎を追いかける ページ33
太宰はAについて気になったことがあった。
「そういえば敦くん、先日のお嬢さんのことは覚えているかい?」
「えぇはい、もちろん覚えてま……?」
ふと敦の動作が止まる。
「あ、え…と、誰だっけ……」
「……」
太宰はその様子を見た。彼女の言う通りであった。異能の力とはいえ、厄介な。恐らく彼女のことを異能特務課に話しても信じてはくれないだろう。
「なにか思い出せないかい?」
「その、その方が飴をくれたこととか一緒に茶漬けを食べたこととかは覚えているんです……ただ顔になんか靄がかかって……」
「その方、大丈夫だったんですか?財布を忘れたって言ってましたけど」
会話はハッキリとしている。その記憶はきちんとある。
「…大丈夫だったよ、お迎えが来たみたいでね。」
彼女に注意をしていた方が良さそうだ。まだ直接関わってくることはないだろうけど、ポートマフィアと関わりを持たれたら大変だ。
「今度あった時はしっかりとお礼を言わないとね。」
「あー、暇だなぁ。」
一方そのころ、とある喫茶店でAは退屈していた。
ドストエフスキーの指示をもとに拠点となりそうなものは見つけたし、制圧した。勿論むしゃむしゃと。
だが、第二のお仕事である『探偵社とポートマフィアの人達観察大作戦!!』がなかなか遂行できなかったりする。
前回の『裏切り者と犯罪者は影にしまっちゃおうね大作戦』より、ポートマフィアの危険人物とその異能についてはある程度理解出来た。その後遭遇したこともあって芥川についてはある程度わかったのだ。
しかし
「目的の人達と全然遭遇しない!!!」
とAは憤然としていた。
今回の仕事はただの偵察である。だから、相手組織になるべくAの素性や異能を知られたくないので、あくまでも一般人として関わる必要があるのだ。
だが、ここヨコハマは人口がかなり多い、偶然関わった人が探偵社やポートマフィアの人達でしたー、なんていうのは起こりえないと考えた方がいい。
先日の芥川だって、顔こそ分かったが、声が全く分からない。近づけってか?あんなおっかない異能者に。近づいた瞬間串刺しにされそう。
と、言う具合だった。
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Zatudan0210 - 白昼夢さん» コメントありがとうございます!!そうなんですよね、外伝読んだのに内容が全て抜けてしまって……もう1回読み直して来ます!! (2021年1月12日 23時) (レス) id: d98530fb06 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - まだこの作品読み始めたばかりなんですがとても面白いです!!影の異能者については文豪ストレイドッグス外伝(小説ですがマンガにもなっています)を見ればわかると思いますよ!とても面白いので是非! (2021年1月11日 23時) (レス) id: e0fa08789a (このIDを非表示/違反報告)
Zatudan - ありがとうございます!!!続編頑張ります!! (2020年8月10日 7時) (レス) id: d98530fb06 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっき(プロフ) - 主人公もドスもかわいいすぎる...!新作、また頑張ってください! (2020年8月9日 19時) (レス) id: 1ef4d945c6 (このIDを非表示/違反報告)
Zatudan - 朔夜さん» ありがとうございます!!そう言ってくれて嬉しいです。励みになります… (2020年8月4日 19時) (レス) id: d98530fb06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Zatudan0210 | 作成日時:2020年7月5日 23時