悪友、茶漬けに挑戦 2 ページ21
それを見兼ねた国木田さんが発する。
「おい太宰、恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ。」
「お二人は……何の仕事を?」
「なァに……探偵さ」
「日本にも探偵はいるんだねぇ。」
敦くんはポカンとしている。
「探偵と云っても猫探しや不定調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ。異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」
「ブソータンテーシャ?……あぁあの……」
まるでなんも知らん露西亜人を装っているが、このことについてはフェージャから聴いていた。なんか自 殺がどうのこうの言ってる人に気をつけなさいって。
また気づいてしまった。
おっと?ボクの目の前にいる感じ??
「もしかしてボク今日真面目に怒られちゃう感じ?」
「?」
その言葉に敦くんは首を傾げた。
「Aさんは1人でヨコハマまで来たんですよね?」
「うん。そーだよ。」
「財布も持たずに」
「うん。家に忘れた。」
「そ、それヤバくないですか?」
「ちょーヤバい。ヤバすぎてボク怒られる。」
「怒られるとかそういう問題じゃなくて……」
だってフェージャが毎回ボクにちゃんと持ったかって言うやつを今回は聞かなかったんだよ。財布だけ忘れたなんて、また怒られる。ただでさえ幼稚園児みたいな扱い受けてるのに……。
ボクの心配など梅雨知らず、太宰さんはちょうどボクの真上にある柱を見ていた。
「あの鴨居頑丈そうだね……たとえるなら人間一人の体重に耐えられそうなくらい」
「立ち寄った茶屋で首吊りの算段をするな」
…タンテーシャって漫談するところなのかな。
現在太宰さんは首吊り健康法なるものを国木田さんに説明している。
嫌だなぁ確率で死んじゃうなんて、健康どころの話じゃないなぁ。
「そ…それで、探偵のお二人の今日のお仕事は?」
「虎探しだ」
「虎?」
「ヨコハマだと虎が街を闊歩するのかぁ、いっぱい人が死にそう」
「近頃、街を荒らしている『人食い虎』だよ。倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり、好き放題さ」
それを一般企業のタンテーシャが?間違えて死にそう。
「虎さんかぁ、もふもふしてるのかなぁ」
「Aちゃんは意外と芯が強いねェ、最近この近くで目撃されたらしいのだけど_」
すると隣でガタッと音が鳴った。ボクが隣に目を向けると敦くんが椅子から落ちていた。
「敦くん、だいじょー_」
「ぼ、ぼぼ僕はこれで失礼します」
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Zatudan0210 - 白昼夢さん» コメントありがとうございます!!そうなんですよね、外伝読んだのに内容が全て抜けてしまって……もう1回読み直して来ます!! (2021年1月12日 23時) (レス) id: d98530fb06 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - まだこの作品読み始めたばかりなんですがとても面白いです!!影の異能者については文豪ストレイドッグス外伝(小説ですがマンガにもなっています)を見ればわかると思いますよ!とても面白いので是非! (2021年1月11日 23時) (レス) id: e0fa08789a (このIDを非表示/違反報告)
Zatudan - ありがとうございます!!!続編頑張ります!! (2020年8月10日 7時) (レス) id: d98530fb06 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっき(プロフ) - 主人公もドスもかわいいすぎる...!新作、また頑張ってください! (2020年8月9日 19時) (レス) id: 1ef4d945c6 (このIDを非表示/違反報告)
Zatudan - 朔夜さん» ありがとうございます!!そう言ってくれて嬉しいです。励みになります… (2020年8月4日 19時) (レス) id: d98530fb06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Zatudan0210 | 作成日時:2020年7月5日 23時