Ｔｏｐａｚ__9th__ (ページ10)

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転げた陽＿2 ページ10

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少し出したら楽になったようで。

………本来なら慧に迎えにきてもらうとこだけど、今日は家にいないんだよな………

大「ちょっと待ってろ」

涼「ひとりで帰る」

大「バカ野郎。これだからお前が寝坊した日は目が離せないんだよ」

涼「………ばか、じゃないもん……」

さすがに逃げはしないだろうが、念のために釘をさして………近くの公園でぱっと手を洗い、家に帰ることにした。

＿＿＿

平日の真っ昼間の家。

寝込むほど体調が悪そうでもなくソファに座ってボーッとしている涼介と何もやることがなくて畳の部屋で大の字になる俺。

………なんか不思議だな。兄弟で学校をサボっている。

涼「…………ぅぐっ…」

大「ふぁ～？どした？」

涼「………おなか………」

大「空いたのか？」

涼「……ぃたい………」

………空いたのは俺の方か。

とりあえずトイレへ行かせ、その後は薬を飲ませておとなしくさせよう。

ソファに横にならせてブランケットをかけお腹を温める。

これで治らなければ病院だな。と言えば簡単に従わせることに成功した。

大「昼飯食えるか？」

涼「食べることばっか……他に考えることないの」

大「夜ご飯？」

涼「はぁ………っ」

こいつ、溜め息を吐いたな？

大「冗談だよ！」

と、笑い飛ばしてやろうとしたら腹の虫が盛大に鳴く。

おい、その“こいつ、マジか”って顔やめろ。俺は育ち盛りなんだよ！！！

俺がこの世で一番嫌いな言葉は“ダイエット”だ。
飯を食わずにはいられない。

まあ、涼介には分からないだろうな。
こいつは放っておいたら何も食わねぇから。

………何故か、俺が隠しておいたお菓子だけは食いやがるけど。

高級アイスが無くなった日には、泣かしたろか？と思ったわ。

誰に似たのか涼介も悪戯好きだからな。
初めの頃はもっとちっちゃなことだったっけ。

鉛筆キャップが無くなってるとか、ウ◯トラマンのフィギアがくまのぬいぐるみに替わってるとか。

そういうときの涼介には怒るに怒れないんだよ。

だって、分かりやすく俺の側でクスクス笑ってっからさ……可愛くて。

大「あ、俺が隠してた饅頭がなくなってる！！また涼介…っ、………寝たのか」

涼「………」

大「ったく。言えばやるのに」

欲しいんじゃなくて、悪戯したいだけなんだよな。困ったもんだ。

大「昼飯作るか………んっ、？」

………なんだ？

大「…っ……、…」

急に胸の辺りが…………

大「……ぅ゛っ…！」