山田家父の事件簿_3 ページ39
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涼「………まだ?」
慧「ん〜、あと5分……」
涼「そう言って10分経ってるよ」
涼介の作ってくれたお粥を味わったあと、仕事でもしようかと和室でパソコンを開くと、じーーーっ……と重たい視線を感じた。
もちろんそれは涼介から発せられたもので。
“仕事はお休みして寝てなさい!”
言葉に出さなくても犇々と感じ、そうしたい気持ちは山々でも、大人は責任から逃れられない。
それが子供たちのためならば、なおさらのこと。
“少しだけ”と仕事を再開して30分。
涼介はエプロン姿のまま見守ってくれていた。
涼「そんなに根を詰めたら疲れちゃうよ……?」
慧「心配してくれてありがとう」
涼「そういう言葉が聞きたいんじゃないの………もぅ」
何故かずっと正座の涼介は、足が痺れたのかモジモジしながら膨れている。
見ているだけなんて退屈だよね………パソコンを覗き込んでは難しい用語の並びに、うーん……………と首を捻り、つまらなそうにエプロンの裾をいじいじ………
一度そんな可愛い姿を視界に捉えてしまった俺は、仕事への集中力が途端に下がった。
慧「涼ちゃん………お昼寝しよっか」
涼「お昼寝……?」
慧「一緒に寝てくれる?」
涼「うーん……………いいよ」
ごろん……と寝転び“おいで”と手招きすると、素直に隣へ来て同じように寝転んだ涼介。
自然と俺は腕枕をしていたけど、涼介もそれが当たり前で何の躊躇いもない。
小さい頃からサイズ感が変わらなくて可愛いなぁ。
涼「…………人の顔みて笑ってる。気持ち悪い」
慧「え〜ひどい。涼ちゃん冷たくない?病人なんだから優しくしてよ〜」
涼「だったら静かに寝てよね」
蓄積された疲れと微熱から目を閉じればすぐに眠れる気はしたけど、それより先に………隣からすやすやと寝息が聞こえてくる。
涼「…すぅすぅ…………」
慧「張り切って疲れちゃったのかな」
子供の寝顔ってどんなアロマよりも癒し効果があるね。
…………俺も少し仮眠したら仕事に戻らないと。
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夢莉(プロフ) - kurumiさん» kurumiさん、ありがとうございます…! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
侑果(プロフ) - 更新お願いします (2022年8月20日 0時) (レス) id: 353b74dee7 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - これからも頑張ってください!! (2022年8月18日 11時) (レス) id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - おもしろいです!! (2022年8月18日 11時) (レス) @page21 id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - めいめいさん» めいめいさん。ありがとうございます…!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^^) (2022年7月12日 19時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
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