山田家父の事件簿_2 ページ38
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少し前なら泣いて泣いて泣きすぎて。
過呼吸を起こして倒れてしまっていただろうに、薮先生に連絡しただなんて、涼介も成長したなぁ……………
薮「じゃ、俺は失礼するよ」
慧「わざわざありがとう」
薮「あんまり無理して、心配かけんなよ?」
慧「そうします」
……と、言うものの。
いつも通りの生活をしていただけで、無理をした自覚はない。
違ったことと言えば、先日涼介が熱を出して付きっきりで看病していた間に溜まった仕事を片付けるべく、数日徹夜したことくらい。
…………そろそろそういうのが堪える年齢になってしまったということなのかな?
涼「今日は全部僕がやるから、慧くんは休んでてね」
慧「へ……?ううん、気にしなくて大丈夫よ。ほら、この通り………!」
涼「だめっ!まだ熱も下がってないんだよ」
慧「熱あったの?全然気付かなかった」
そう言われれば、若干寒気がするような……?
上着を羽織ればなんてこと無いくらいのものだけど。
涼「わかったらおとなしく僕に看病されて!」
慧「…………はぁい」
看病される柄ではないけど、やる気の涼介が可愛くて素直に返事をしてみた。
………疲れからくる熱なら涼介に移ることはないだろうし、少しお手伝いをしたら満足してくれるでしょ。
涼「僕は今からお粥を作るから、慧くんは待っててね」
雑に結ばれたエプロンのリボンが可愛いなぁ…………
って、待って。聞き逃すところだったよ?!
慧「火を使うのは危ない!」
涼「……大ちゃんも慧くんも、僕をいくつだと思ってるの。家庭科の授業でやりましたっ!」
家庭科だなんて…………可愛いね。俺にしたらうん十年も昔の話よ。
涼介が中学生で、料理が得意なのは知っている。
でもね…………一人で包丁や火を使うとなると、手を切らないかな?火傷しないかな?と心配になるのよ。
“大ちゃんにはそんなこと言わないじゃん”………って?
だってあの子は止める前に何でもやるからね!?
“あれしていい?”
“これしていい?”
涼介に聞かれても、大貴に聞かれたことはない。
いつも事後報告。
小学生の時も学校で配られたプリントを出してこないの。
当日になって今日の授業で使うとか言われても間に合わないって何度も言ったのに……
慧「はぁ、だめ……思い出したら熱が上がっちゃう」
涼「寒い…?僕のパーカー貸してあげる」
慧「大丈夫よ、涼ちゃんが着てて?」
すごくありがたいけど、サイズが合わない。
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夢莉(プロフ) - kurumiさん» kurumiさん、ありがとうございます…! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
侑果(プロフ) - 更新お願いします (2022年8月20日 0時) (レス) id: 353b74dee7 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - これからも頑張ってください!! (2022年8月18日 11時) (レス) id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - おもしろいです!! (2022年8月18日 11時) (レス) @page21 id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - めいめいさん» めいめいさん。ありがとうございます…!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^^) (2022年7月12日 19時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
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