Ｔｏｐａｚ__9th__ (ページ34)

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知らなくていいコト＿5 ページ34

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小さな拒否と、強い力。

涼介だけをベッドに寝かせて離れようとすれば泣いてしまう。

…………これは第三段階に入ったかも。

第三段階………それはまるで赤ちゃんのようにずーっとぐずぐずになっちゃうのよ。

慌てて抱き起こせば泣き止むけど、これがかなり大変。

膝の次は腕に限界がきて、うとうとし始めた頃を見計らい寝かせようとしても…………あ、起きちゃった。

背中にセンサーでもついているの？

腕を抜こうとすれば目が合って、“離れようとしたでしょ…？”と号泣。

氷嚢を持ってこようと思ったのに動けないから、ペットボトルで額を冷やして。

熱いほどの身体を“…さむぃ…”とぷるぷる震わせるから、毛布で包んで抱き締める。

涼介の体温もあり、俺はサウナ状態で汗が滲む。

涼「………ん、…………んぅ………」

…………寝そう。

だけど、置いたら起きるんだろうな。

もう一度試みてみる。

すると今度は眠気の方が勝ったのか、背中がベッドに触れても目を覚まさない。

おっ…？これはいけそう！

と、思ったそのとき。

ブーッ、ブーッ、ブーッ……

慧「っ！？」

涼「？………ふぇっ、ぅう……」

慧「ごめんねっ」

誰よ、こんなときに連絡してくるのは！？せっかく寝てくれそうだったのに……！

鳴り止まない携帯に片手を伸ばす…………“八乙女さん”ね…………悪気がないのは百も承知。俺から連絡すべき件もあるし。

ただ……………今は不味かったなぁ。

涼「やぁっ……ｺﾞﾎｺﾞﾎっ…ﾋｭ…！」

慧「っ、ちょっと怪しい音がしたね、苦しくない……？」

涼「ふぇっ……けいくんは、ﾋｭっ……ぼくと、っ…いっしょっ、やなの…？」

慧「涼ちゃんにゆっくり休んで欲しかったんだよ、ごめんね」

涼「うそだぁっ、僕からはなれて、どこかいこうとしてたっ…！」

ギクッ……………バレてる。

慧「………えぇ？そんなわけ～………」

涼「りょうにうそつくの………うそつきけいくん、きらいぃ…っ……」

慧「！本当に違うのよ涼ちゃん！！嫌いにならないでぇっ…」

…………決めた。

携帯の電源は落とす。

俺は全てを捨てて、涼介と一緒にいる……………今日だけでも！！！

涼介が望むなら一日中抱っこしていましょう！

慧「苦しかったらすぐに言うんだよ？」

涼「……ん……」

ベッドの上で赤ちゃんをあやすように左右に揺れてみたり頭を撫でてあげる。

と、気持ち良さそうに目を瞑る涼介。

…………はぁ、可愛い。