知らなくていいコト_3 ページ32
.
俺の腕よ、伸びろ!伸びるんだ!………と、言っても無理なわけで…………離れようとすれば涼介が泣く。
………仕方ない。覚悟しよう。
膝から一旦降りてもらい、ブランケットとついでに飲料水、冷えピタを取りに行く。
慧「お待たせ〜」
涼「ぅぅっ、ふんっ…!」
一応声は掛けたんだけどね……?
降ろされた涼介は物凄く不機嫌。
足が痺れていたもので時間がかかっちゃったから余計に…………いじけている姿もそれはそれは可愛いくて、どんなに当たられても平気なドMパパでごめんね?
慧「涼ちゃん、こっち向いて?」
涼「!ぁ、やっ、つめたぁ…んん…」
慧「おでこひんやりして気持ちいいでしょう?」
涼「………もぅ、いっちゃやだ…」
ブランケットを掛けてあげたら包まる。
まるで寂しがり屋のうさぎさん。
少し荒い息も抑えたような咳もこの距離では隠せない。
慧「お熱計らせてね」
涼「…さっきも、したよ…」
渋り始めた………ということは、ですよ。
涼介はとても分かりやすい子。
熱が上がり始めるとイヤイヤになるんだ。
………本人に自覚があるかは別としてね。
興奮して泣かせることは避けたい。
諦めて時間を置いてから計らせてもらおう。
慧「涼ちゃん、食欲無くても水分だけは摂ろうね?お口あけて」
涼「ぅむっ……」
慧「それじゃあ飲めないよ?」
涼「いま、いらない」
慧「今朝もそう言ってたよ?」
脱水症状になったら大変。
ここは多少厳しめに言っても聞いてもらわなくちゃ。
慧「ね、お願い。そうしたらぎゅーっしてあげる」
涼「ぎゅぅ、いらないもん……ひざでいい」
慧「………涼介さん。」
涼「っ…………ちょっと、だけだよ…」
慧「ありがとうね」
背中は支えているけれど、一応ストローをさして渡してあげる。
コク、コク…………
あんなに要らないと言っていたのに、結構飲むじゃない。
飲み過ぎてお腹壊さないかな?
涼「ん………けほっ、けほっ……」
………あらあら、それよりもむせるのが先だった。
慧「溢れちゃったね。汗もかいてるし、お着替えしよっか」
涼「…きがえ……………あっ、だいちゃんのがいい」
慧「大ちゃんの?」
………………あぁ!この前新しく買った“着心地が良い”って自慢していた部屋着のことかな?
へぇー………と興味無さそうにしていたけど、気になっていたんだ。
慧「大ちゃんに許可もらってないけど、いいかな?」
479人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢莉(プロフ) - kurumiさん» kurumiさん、ありがとうございます…! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
侑果(プロフ) - 更新お願いします (2022年8月20日 0時) (レス) id: 353b74dee7 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - これからも頑張ってください!! (2022年8月18日 11時) (レス) id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - おもしろいです!! (2022年8月18日 11時) (レス) @page21 id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - めいめいさん» めいめいさん。ありがとうございます…!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^^) (2022年7月12日 19時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ