Ｔｏｐａｚ__9th__ (ページ31)

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知らなくていいコト＿2 ページ31

慧side

………さて、困った。

何がって？……涼介がずっと俺の膝に頭を乗せてるのよ。許可したのはお前だろって？………その通り。

いいのよ、全然。俺はね？

けれど、膝さんはさすがに疲れたって痺れてきたわけ。

大貴が侑李を保育園へ連れていくことになり、いつもより早めに出るのを見送ろうと下へ降りて。

仕事もあるし～、と和室に移動してからずっとこの状態………早３時間くらい。かなり頑張ったと思わない？

涼介が眠ってくれたら休めるんだけど、目はぱっちり………手遊びをしている。

30分置きに熱を計るのはすんなりとやらせてくれるんだけどね。

慧「涼ちゃん、喉乾いてない？」

涼「ん……」

慧「お腹は空かない？」

涼「ん……」

慧「お布団で寝た方が…」

涼「やっ」

俺の膝ってそんなに寝心地いい？
俺は寝たことがないから分からないなぁ。

涼「……けいくん」

慧「ん？」

涼「………」

………甘えん坊モードの涼介には三段階あって。

第一段階では茶目っ気たっぷり。
構って欲しいアピールで悪戯をしてくる。

第二段階では何度も名前を呼ばれたり身体をくっつけたりと、常に視界に入っていないといじけてしまう。

………今は第二段階かな。

その日の気分で突然モードに入ることもあるけど、体調の悪い日にはなりやすいんだよね。

涼「くしゅっ……」

慧「くしゃみ出ちゃったね。寒い？」

涼「ぅぅん」

慧「今日はまだ掃除機かけてないからかな……」

俺がもう一人いればやってもらうのだけど、唯一無二なもので。

お陰で可愛い涼介を独り占めできるから、もう一人欲しいとは思わないんだけどさ。

咳が出始めると頬をぽぉ…と赤く染めて、ぼーっとしている涼介。

時間が経つにつれて体温が上がっていく。

………仕事も手につかないし、2階の部屋へ行った方がいいかな……？

慧「眠れそうならベッド行こう？」

涼「んーん………けいくんといる」

慧「慧くんも一緒に行くよ？」

涼「んー………………」

んー？……って、悩んでる……？

いつにも増して水分量の多いうるうるの瞳で見上げてくるじゃない。

そんなに可愛いと食べちゃうよ？

今日はまだ何も食べていなくて腹ぺこですからひと口で丸飲みに。

涼「……さむぃ」

慧「あら、感じ取っちゃった？」

涼「ん……？……ぅぅっ…」

慧「鳥肌立ってる？ブランケット一枚じゃ足りないね。もう一枚………………届かない……！」

ふざけている場合じゃないわ。