Ｔｏｐａｚ__9th__ (ページ24)

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心配しないでね＿3 ページ24

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涼「はぁ、歩くの…早い……」

こういうときに普段、僕に合わせてどれだけゆっくり歩いてくれているのかがよく分かる。

大「すっげぇ人だな」

そう大ちゃんが言うくらい、改札を越えた向こうは人だらけだった。

はぐれたら二度と会えなそう………電車慣れしていない僕が一人になってしまったら学校まで辿り着かない。

見失わないように追いかけなきゃっ………！

涼「ぇ、あっ、ぁ…！」

電車に乗り込めば小さい僕は押し潰されて。
扉が開く度にもみくちゃにされる。

…………あと何駅だろう……？

1.2.3....と、数えているとまた電車の扉が開いて。

たくさんの人が降りる駅だったらしい。
油断した僕は人に流されてホームへ出されてしまった。

戻りたいけど人が前にも後ろにもいて、戻るタイミングが分からない。

………このまま置いていかれちゃうの………？

出発のメロディが流れ、ドアが閉じる寸前。

涼「まっ……、ぐぁっ…！」

何処からか伸びてきた手にすごい力で引っ張られて電車内へ戻された。

ボスンッ……と何かにぶつかって顔を上げると、ちょっと険しい顔をした大ちゃん。

大「あぶねっ、ちゃんと掴まってろ」

涼「っ、…こわかった……」

もう絶対に離れないようにしがみついていよう。

僕の前に盾のように立ってくれる大ちゃんの制服の裾を掴んで皺になってしまうくらい握った。

大「よし、降りるぞ」

涼「…はぁ、……ふぅ…」

大「大丈夫か？」

…………ぎゅうぎゅうに詰め込まれた電車に揺られて酔っちゃった………。

最寄り駅で降りたあとベンチで休ませてもらって少しは平気になったけど、まだ脳が揺られている感じが治まらない。

………そろそろ行かないと、大ちゃんが遅刻しちゃうよね。

立ち上がるときに、ふらっ…とよろけたけど、あと少し………学校についてしまえばどうにでもなる。

中「やまー！おはようっ、大ちゃんも」

そして、ホームを降りて改札の外へ出ると何故かここにいるはずのない裕翔。

…………え？どうしたの？

大「俺はついでかよ」

涼「どうしているの？」

大「今日は来なくていいって言ったのに“駅だね、分かった”つって速攻電話切りやがったんだよ。人の話を聞けっての」

裕翔………それ、大ちゃんに言われるなんて相当だよ？

学校にいけば会えるのに………裕翔は朝から元気だなぁ。

中「やま、顔色悪いね」

涼「ぅぅん……あっ………」

中「おっと、危ない……電車酔いかな？」