Ｔｏｐａｚ__9th__ (ページ23)

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心配しないでね＿2 ページ23

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優しさのお陰で迎えられた朝。

目を開けて最初に写った天井の柄がいつもと違っていて“ここどこ…？”と寝惚けたけれど、横を見れば大ちゃんがいて安心する。

光さんはご飯を作ってくれているみたい。

涼「おはよぉございます…」

光「おはよう」

涼「何か手伝えることありますか…？」

光「もうすぐ出来るから大丈夫だよ。大ちゃん……は、噂通りまったく起きないね」

噂………光さんは慧くんから聞いていたらしい。

大ちゃんを起こすのは重労働なの。
地震が起きようが雷が落ちようがびくともしないからね。

涼「ふぅ………やるか」

光さんは優しいから遠慮するでしょ？
だから俺が強めに叩いたり揺すったりしてみる。

………けど、錠でもかかっているのかというくらい固く閉じられたままの目蓋。

しかも、布団を剥ぎ取ろうとしたら反撃されて。

涼「いたいいたいっ！」

大「っ…ん゛……？うおっ、なにしてんだ！」

涼「なにしてんだじゃないよっ！」

光「ふははっ、賑やかでいいね」

………うぅ、ひどい……！

布団の中に引き込まれ危うく抱き枕にされかけたっていうのに、光さんは楽しそうに笑ってみているだけで助けてくれなかった。

これは笑い事じゃないから！？

光「ごめんごめん、膨れないで！二人とも顔洗ってきな。ご飯を食べたら駅まで送っていくよ」

涼「……はぁい」

今朝は兄弟喧嘩をしているほど時間の余裕はない。

光さんの家から学校までは距離があるから、電車を使うことになっているんだ。

いつもより早く出ないと遅刻しちゃう。

大「俺たち何処に帰ればいいんだろうな」

光「うちは何日いてもらっても構わないよ」

大「じゃあ！光さん家に帰ってもいいっすか？」

光「一応鍵を渡しておくね」

大「涼介、帰り待ち合わせて一緒に帰ろーぜ」

涼「いいけど……また居残りにならないよね？」

“あ、それ常習犯なんだって？”

………光さんにこの情報まで流したことは後でこっぴどく怒られるだろうなぁ。

くふ………大ちゃんに怒られている慧くんは面白くて好き。

笑っているととばっちりに遭うから、隠れてこっそり見てるんだけど………まったく反省しないんだよ？ヘラヘラして跳ね返しちゃうの。

僕にもあの精神力があれば、今のように改札の前で“怖いなぁ……”と立ち止まることもないのだろう。

大「どうした？早く行くぞ」

涼「…ま、待って…！」