Ｔｏｐａｚ__9th__ (ページ22)

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◇心配しないでね＿1 ページ22

涼介side

これは少し時間が戻って。

侑李が流行り風邪にかかり、俺と大ちゃんが光さんのお家へお泊まりに行った時のこと。

大「一人暮らしとか憧れる」

八「寂しいだけだよ」

大「うちは毎日うるさいんで」

八「だったら尚更だね」

“山田家に比べたら狭い”と謙遜していた光さんのお家は広々とした1LDKで。

中高生男子二人くらいは余裕で泊まれるし、慧くんと侑李が来ても大丈夫そうな綺麗なお部屋。

大「そうっすかね。涼介も思わない？」

涼「え？………ひとりは、寂しい…」

大「………ぷっ」

涼「笑うな！」

晩御飯は途中で寄ったスーパーで買ってきたお弁当。

でも、正直食欲ないんだよね………侑李のあんな苦しそうな姿をみたら……可哀想で。

大「んー、うまっ！」

光「涼介くんも食べてね。飲み物はお茶でいい？」

涼「ありがとうございます」

大「んんっ、…ごほっごほっ！変なとこ入ったっ…」

光「誰も取らないから慌てずに食べな」

………子供みたいなこと言われてる。

間違いでなければ、それ……家でも何度も聞いた気がするよ？珍しく慧くんが注意していた気がするよ？

つまったものをコクッ、コクッ…とお茶で流し込んで。

復活したついでに俺が二口だけ食べて残してしまったお弁当もぺろりと平らげた大ちゃん。

ごちそうさまでした…………宿題でもやろう。

難しい問題に頭を捻らせていれば光さんが来て教えてくれる。

その様子を見ていたのに、大ちゃんったら食べ終わったからって“ゲームしようぜ！”と突然言い出して……………疲れたぁ。

お陰で寂しさは忘れられたけど………

最大の問題は一日の最後に待っていた。

光「電気消すね」

涼「っ………はぃ…」

そう、今日はみんな同じ部屋で眠る。

普段は真っ暗が怖くて、電気を完全に消さず寝ているけど………そんな我が儘を言ったら大ちゃんと光さんが眠れないかもだし……我慢しないと。

布団をぎゅっと握り、目を強く瞑ると、電気が消されてしまうその瞬間をじっと待った。

そして……………

＿＿＿カチッ……

電気は消された…………のに、何故だろう？
目蓋の裏に暖かいほわっとした明かりを感じる。

そっと目を開くと、側にナイトライトが置かれてオレンジ色の明かりが灯っていた。

きっと大ちゃんだ……大ちゃんしかいないもん。

涼「……ありがとう…おやすみなさい」

大「おやすみ」