君を思って_7 ページ21
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慧「怖い夢をみちゃった…?」
涼「ぅ、ぅっ…ん……」
伯父さんを悪魔のように言ってごめんなさい。
慧くんはそうとは知らず、僕を守るように抱き締め返して慰めてくれる。
慧「涼ちゃんに意地悪する人がいたなら、慧くんがヒーローになって登場するはずだけど……渋滞に巻き込まれちゃったかな?遅くなってごめんね」
涼「慧くんが謝るの、ちがう………慧くんは、悪くない………僕が、弱いのがいけないの…………」
慧「涼ちゃんは悪い子じゃないよ。それに………弱いのは慧くんも同じ」
涼「ぇ………」
僕は昔から心が折れやすくて、ぽきっ…となるとすぐに泣いてしまう。
それを面白がった同級生にからかわれたこともあった。
………慧くんも弱いの?
慧くんも泣いちゃうの?誰かにいじめられちゃった……?
涼「けいくん………いたい…?」
慧「え?」
おそらく慧くんはそう言う意味で言ったのではなくて、僕の質問にきょとんとしていた。
でも、構わずに僕は続ける。
涼「僕が、けいくんをまもること…できる?夢の中に、たすけにいける?」
慧「………ふふ。そうだね、涼ちゃんがいないと慧くんも変身できないから来てもらわなくちゃ困るなぁ」
涼「そうなの…?」
慧「戦隊ものには必ず仲間が必要でしょ?」
慧くんは戦隊ブルーかな?涼ちゃんは何色にする?
大ちゃんは何色で侑ちゃんは何色。あと一人は誰を入れようか?
なんて、話を広げていく慧くん。
元の暗い雰囲気は何処へ行ったのか、すっかり忘れていつの間にか涙の跡も乾いていた。
慧「やぶぅせんせは……どちらかと言うと敵役かな」
涼「くふふっ…じゃあ、裕翔いれてあげる」
慧「中島くんねぇ」
薮「なんの話をしてるんだ?俺が敵とか聞こえたけど?」
慧「あ」
慧くんは声が大きいよっ。
怒った先生がこれを外してくれなかったらどうするの…
薮「元気になったみたいだな」
慧「おかげさまで」
薮「数日間は絶対安静だぞ。約束できるか?」
涼「はぁい」
慧「帰ろ〜」
慧くんが差し出してくれた手を素直に繋ぐ。
見られたら恥ずかしいけど、このたんこぶを言い訳に使って。
慧「今日はジュースはやめてアイスにしようか。お外、暑いからね」
涼「うん」
………僕はまだまだ子供だから、あの夢に隠された真実に気づけなかった。
手の温度が微妙に違うことも、怖い夢なんかじゃなくて優しい夢だったと気づくのもまだまだ先の話。
______君を思って編fin.
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夢莉(プロフ) - kurumiさん» kurumiさん、ありがとうございます…! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
侑果(プロフ) - 更新お願いします (2022年8月20日 0時) (レス) id: 353b74dee7 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - これからも頑張ってください!! (2022年8月18日 11時) (レス) id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - おもしろいです!! (2022年8月18日 11時) (レス) @page21 id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - めいめいさん» めいめいさん。ありがとうございます…!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^^) (2022年7月12日 19時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
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