君を思って_2 ページ16
.
慧「………涼ちゃん、大丈夫…?」
涼「ぅ、…ん……」
“………またか………”
“大貴はこんなことなかったのにな”
幼い頃、意識朦朧としていた僕の耳に届いた声。
目は開けられなくて姿を見た訳じゃないけど………あれは伯父さんの声だった。
伯父さんは身体の弱かった僕に良い印象を抱かなかったのだろう。
会うといつも怖い顔をしていた。
「涼介くん、腕押さえるね」
薮「力抜いているんだぞ」
大きくなってから会う機会が減ったけど………
今もこんな風に病院へ通っていること。
検査を嫌がって先生たちを困らせていること。
伯父さんに知られたら………怒られるんだろうな。
涼「っ、…ぃ゛やっっ…!ゃだ、抜いてっ、はやくっ」
薮「もう少しだ、頑張れ」
涼「むりっ、むりっ…こわい、血、ぬかれるっ」
薮「こらー、暴れるな」
“………涼介っ、なにやってるんだ!………”
涼「はっ、………………」
薮「?………よし、終わったぞ」
何が原因だったかは覚えていないけど、昔伯父さんに怒鳴られたことがあった。
それを今思い出して、酷く心が疲れて、抵抗する気も失くした。
薮「ベッドで休んでから…………涼介?」
涼「………ごめんなさい……」
薮「ははっ、いつものことだろ」
涼「ごめんなさい………」
慧「待って涼ちゃん、すぐに立ったら……危ないっ!」
採血をしたあとは貧血になりやすくて。
いつもはベッドで休ませてもらってから帰っていた。
けれど、別のことで頭がいっぱいになっていた僕は、止血のテープを貼られると立ち上がってすぐに帰ろうとして。
………目の前が真っ暗。
なのに、チカチカしている……気持ち悪い。
当たり前に貧血になり、歩くことも立っていることも出来なくなって僕は倒れた。
涼「う゛っっ…!」
脳に響く大きな音。
倒れたところが悪くて頭を打ったんだ。
479人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢莉(プロフ) - kurumiさん» kurumiさん、ありがとうございます…! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
侑果(プロフ) - 更新お願いします (2022年8月20日 0時) (レス) id: 353b74dee7 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - これからも頑張ってください!! (2022年8月18日 11時) (レス) id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - おもしろいです!! (2022年8月18日 11時) (レス) @page21 id: a7797ca1bd (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - めいめいさん» めいめいさん。ありがとうございます…!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^^) (2022年7月12日 19時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ